【ニュース・フランス】フランスの就職事情

Universumが2013年11月から2014年2月に、グランゼコール新卒予定者36,762人(114校)に行ったアンケート調査の結果で、Le Monde紙が2014年4月2日に発表したものである。回答した36,762人のグランゼコールの学生の内訳は平均年齢21.7で、54%が男子学生、46%が女子学生であった。
設問項目を設けて130社の中から希望のトップ5社を挙げてもらったが、リストにない会社も挙げることができるようにした。ここからも、毎年、新しい企業がリストに入り、入れ替わりがあることが見てとれる。

*企業名に続く数値は全体の何パーセントの学生が希望したかであり、( )内の記号は、-は前年と順位変わらず、 ↑は順位上昇、 ↓ は順位下降を示す。

 

経済商業系の人気就職先

1 LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・エ・シャンドン・ヘネシー)25.17%(−)

2 L’Oréal Group(ロレアル)18.78%(−)

3 Google(グーグル)17.14% (−)

4 Apple(アップル)13.76%(−)

5 Canal+(キャナルプリュス)11.78%(−)

6 CocaCola(コカコーラ)10.02%(↑)

7 Nestlé(ネッスレ)9.77%

8 Danone(ダノン)9.65%(↓)

9 Air France(エールフランス)9.15%(−)

10 Ernst & Young*(アーンスト&ヤング会計事務所)7.67%(−)

11 BMW France(BMWフランス)6.94%( ↑)

12 EADS**(ウ・アー・デ・エス)6.9%( ↑)

13 BCG(ボストンコンサルティンググループ)6.47%(↓)

14 McKinsey & Company6.46%(マッキンゼー)(↓)

15 Microsoft(マイクロソフト)6.43%( ↑)

16 KPMG***(KPMG会計事務所)6.39%(↓)

17 Total(トータル)6.36%( ↑)

18 BNP Parisbas(BNPパリバ)6.32%(↓)

19 Deloitte(デロイト)6.14%( ↑)

20 Disneyland Paris(ディズニーランドパリ)6.10%( ↑)

 

理工系人気企業

1 EADS(ウ・アー・デー・エス)20.28%(−)

2 Google(グーグル)14.98%(−)

3 Thales(タレス)12.92%( ↑)

4 Dassault Aviation(ダッソー)11.56% (↓)

5 Safran(サフラン)11.51%( ↑)

6 EDF(フランス電力)11.02%( ↓)

7 Total(トータル)10.09%(−)

8 Vinci(ヴィンチ)9.13%(−)

9 Apple(アップル)8.66%( ↑)

10 Microsoft(マイクロソフト)7.65%( ↑)

11 Air France(エールフランス)7.40%( ↑)

12 Dassault Systèmes(ダッソーシステムズ)( ↑)

13 Veolia Environnement(ヴェオリア・アンヴィロヌモン)7.01% (↓)

14 L’Oréal Group(ロレアル・グループ)6.87% ( ↑)

15 BMW Group(BMWグループ)6.64%( ↑)

16 Bouygues Construction(ブイーグ・コンストラクション)6.50%( ↑)

17 LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・エ・シャンドン・ヘネシー)6.47%( ↑)

18 Areva(アレヴァ)6.31%(↓)

19 Uvisoft(ユビソフト)6.18%( ↑)

20 Eiffage****(エイファージュ)6.03%(↓)

 

*ロンドンを本拠地とし、会計・税務・アドバイザリーサービスなどを世界で展開する会計事務所

**防衛・宇宙・安全保障を含む電機メーカー、2014年6月にAirbus Groupと社名変更した。

米ボーイング社につぐ航空・宇宙産業、エアバス100%親会社

防衛・航空・通信分野の複合企業体

***オランダを本部とし、会計・税務・アドバイザリーサービスなどを世界展開する会計事務所

****Vinci、Bouyguesにつぐ、土木企業で、エッフェル塔、ミヨー橋(世界で地上から一番高い橋)を建てている。

・現代の学生はどのようにして就職先をみつけているか
2014年Universumの調査によれば、就職活動で学生が使っているコミュニケーション手段の数は、経済商業系で平均7.0、理工系で平均6.2となっている。SNSのひとつであるFacebookの利用については合計69%の回答は「とてもよい」、「よい」と好意的な意見であり、26%はそれほど好意的ではなく、5%はまったく反対の意見である。

・就職先を選ぶとき、もっとも注目する3つの判断基準
経済商業系では将来、給与が上がる見込みがあるか、将来のキャリアに好ましい経歴となるか、そして、野心に満ちてチャレンジングな仕事であるかを挙げており、理工系では快適に働くことができる雰囲気か、創造的でダイナミックな仕事環境か、そして野心に満ちてチャレンジングな仕事であるかを挙げている。

・初年度年収希望額
経済商業系では34,780ユーロ(男子学生37,276ユーロ、女子学生32,880ユーロ)であり、理工系では36,382ユーロ(男子学生37,060ユーロ、女子学生33,982ユーロ)である。

・キャリアで重視する点
経済商業系では仕事とプライベートのバランス、国際的なキャリア、そしてグループのリーダー、理工系では仕事とプライベートのバランス、物事を改善することに寄与しているという実感、そして知的な挑戦、あるいは競争に身を置いているか。

・希望分野
経済商業系ではモード・アクセサリー・ラグジュアリー関係、マネージメント・ストラテジーのコンサルタント、そしてメディアとパブリシティであり、理工系では航空宇宙と防衛、エネルギ、工業と生産分野となっている。

・職業人として社会に出るとき、国外を選択するか
経済商業系では26%が選択する、11%は選択しない、残り63%はそのときの条件に依存すると答え、理工系では21%が選択し、16%が選択しない、残り63%はそのときの条件に依存するとし ている。

・従業員500人以下の中小企業への就職
経済商業系では39%が肯定的、理工系では41%が肯定的である。

・Le Monde “EADS, LVMH, Google…: les employeurs ideaux” (2014年4月2日)

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