【ニュース・フィンランド】ノーベル経済学賞受賞者、政府の教育研究費削減を批判

2016年ノーベル経済学賞をイギリス系アメリカ人の Oliver Hart 教授と共同受賞したフィンランド人経済学者の Bengt Holmström 教授は、Juha Sipilä フィンランド共和国首相が教育研究費を1億ユーロ(約122億円)削減するとした2016年初めの決定に対して異議を唱えた。
受賞発表後、Holmström 教授は、Sipilä 政権によるこの決定は高等教育軽視の現れであるとし、「この決定は信頼のできない議員投票によるものであり、大学界に対する軽視を強く反映したものである。」と発言した。また、「政府は大学予算を削減しただけでなく、お金をかけて他の機関を通じて削減を実行し始めた。この分野に詳しい専門家がいるとは思えない。」と述べた。
Holmström 教授は、大学間の労働区分改革を行い、組織間の仕事の重複を無くすことがより良い解決策であると提唱する。さらに、「研究大学は、博士課程を持つ大学や重要な研究活動をしている大学に集約されるべきである。アメリカでも、2,000~3,000ある大学機関のうち、研究大学は200程度でそれほど多くはない。」と指摘した。

 

【出典】
University World News:Nobel laureate recommends universities restructuring

地域 北欧・バルト三国
スウェーデン、その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事、予算・財政、政策・経営・行動計画・評価