【ニュース・ノルウェー】RCN, 地方自治体に焦点を当てた新しい研究プログラムを始動

ノルウェー研究評議会(RCN:The Research Council of Norway)は2017年に「地方自治体に関する研究イノベーションプログラム(FORKOMMUNE)」を立ち上げる。このプログラムは新しい関連知識の開発を後押しすると共に、地方自治体と研究チーム、その他の知識人との連携を強化することで、この分野のイノベーションを推進するものである。
Jesper W. Simonsen 研究評議会社会健康部常任理事は次のように説明する。
「自治体は将来的に多くの重大な問題に直面する。例えば、人口変動は今後数年のうちに深刻な高齢化社会をもたらすだろう。また、気候変動が自治体の排水システムやエネルギー供給、その他様々なインフラに大きな影響を及ぼすだろう。さらに、急速なサービスのデジタル化により、自治体の課題は新しい様相を見せている。」
「政府はこれらの問題に対応するため、国の政策を打ち出し、政府資金を投入するだろうが、それでも地方自治体は課題の多くを自分達で対処しなければならない状況に追い込まれるだろう。」とSimonsen 常任理事は強調する。
また、Simonsen 常任理事は次のように語る。
「これまで、自治体が抱える社会問題をターゲットとした研究はほとんど行われてこなかった。現在の研究活動レベルでは、自治体が抱える問題の大部分が反映されていない。例えば、一般的な健康に関する研究はたくさん行われているものの、自治体運営の第一儀的なヘルスサービスに割り当てられる研究費は、専門家のヘルスサービスへの研究費に比べてかなり少ない。我々は長年に渡り、ヘルスケアサービス関連の大規模な問題について自治体レベルで解決されなければならないと認識していたにも関わらず、このような状況である。」
このFORKOMMUNEプログラムは、地方自治体分野の研究支援型のイノベーションを推進すると共に、自治体自身の革新する力を伸ばすように作られている。特に、このプログラムにより、我々は自治体のイノベーションについて気づきや理解を深めることができると同時に、この分野により良い学問体制を確立させることができるだろう。全地方自治体から集められた地域社会の情報資源を確実且つ有効に利用できるようにすることが重要である。  
Simonsen 常任理事は、「このプログラムに採択されるプロジェクトは、自治体でのイノベーションが何を引き金として起こるのか、イノベーションがどのように継続的な効果をもたらすのか、といったことを追求する研究であることが求められる。」と述べる。

 

【出典】
The Research Council of Norway:New research programme targeted towards the municipalities

地域 北欧・バルト三国
スウェーデン、その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
社会との交流、産学官連携 地域連携
研究支援 研究助成・ファンディング