【ニュース・ドイツ】ドイツ研究振興協会(DFG)はエクセレンス戦略への参加を年次総会において満場一致で可決

ドイツ研究振興協会(DFG:Deutsche Forschungsgemeinschaft)の年次総会がマインツ大学にて開催された。この年次総会におけるメインテーマとなったのが、ドイツにおける研究政策に関する現在の状況と、特に、「エクセレンス戦略」による大学におけるトップレベル研究への投資のための連邦・州の新しいイニシアティブであった。
三日間にわたる会議の終わりに、DFGのメンバー機関の代表者たちはエクセレンス戦略への参加を満場一致で決議した。二日前にはDFGの理事会、評議会および協議会が同様の決議に達している。
これにより、2016年6月16日の連邦・州政府の長による最終合意において予見していたとおり、DFGがエクセレンス戦略においてエクセレンス・クラスター事業を実施する役割を担うこととなる。エクセレンス大学事業については、ドイツ学術審議会(Wissenschaftsrat:WR)が実施する予定である。WRはDFGの年次総会と並行してキールにて開催されていた夏期集会において、同じく本件を議題として議論していた。
「連邦・州政府がエクセレンス戦略の実施をDFGとWRに任せるという事実は、ハイレベルな政治的信用の表れである。DFGの実施機関としての能力や評価はその自律性によるところが大きいが、参加に関してはDFGのメンバーや他の法人組織との合意が不可欠である」と、DFGのシュトローシュナイダー理事長は総会での決議について述べた。
シュトローシュナイダー理事長が述べたとおり、DFGとWRは39のメンバーを専門家委員会として共同学術会議(GWK)へ推薦する予定である。専門家委員会はエクセレンス戦略の一環として、学術上の質に基づいて助成対象を推薦し、連邦・州レベルの担当相とともにいわゆるエクセレンス委員会において実際的な支援を決定するとされる。この推薦はDFGとWRがともに準備してきたものであり、DFGの最も重要な学術組織である理事会とWRの科学委員会の合意はすでに見込まれていることから、おそらく2016年7月末までにGWKによって委員が指名されることとなるだろう。
「専門家委員会には多くの世界的に著名な専門家が参加に同意した。これはドイツの研究システム、従来のエクセレンス・イニシアティブおよびDFGが得てきた評価と知名度を証明するものである」とシュトローシュナイダー理事長は述べた。
今後のスケジュールによれば、DFGは7月末までにエクセレンス・クラスターの助成事業のためのプログラムを発表する見込みである。夏の後半には、専門家委員会は助成基準と審査手続きを議論するための最初の会議を開催する予定である。実際の公募は、現在の見込みでは9月末が予定されている。すべての対象者は2016年12月1日までに意志を表明することが求められている(ただし拘束力はない)。新しいエクセレンス・クラスターのための仮申請書は2017年4月3日が締切とされており、仮申請書の採否は2017年夏の後半には決定される見込みである。その後審査を通った応募者が本申請書の提出に取り掛かる。これまでのエクセレンス・イニシアティブと異なり、採否決定は各事業合同で行われるのではなく随時行われるものとされ、エクセレンス大学の結果は2019年夏の後半に通知される見込みである。

 

DFG:DFG Approves Participation in “Excellence Strategy”

地域 中東欧・ロシア
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