【ニュース・ドイツ】2016年のシーボルト賞授賞式が京都において開催

2016年のフンボルト財団(AvH)シーボルト賞の授賞式が京都において行われ、ガウク大統領から政治学者である河崎健氏に授与された。
河崎教授は上智大学の政治学の教授であり、ドイツ政党の政治的エリートを生み出す仕組みを検証した論文に始まり、ドイツの政治における動向と特徴を分析し、ドイツと日本の政党政治の比較研究を行ってきた。また、ボン大学やハイデルベルク大学、フンボルト大学ベルリン等でも長年研究を実施してきた。ドイツと日本の文化・社会の相互理解の向上に対する多大な貢献が認められての受賞である。
ガウク大統領は京都大学での授賞式において、「河崎教授の研究業績は、学術的な質が優れているだけではなく、政治的な関連性が特徴的である」と強調したうえで、「このような複合的プロセスを扱った学術研究は、権威主義的思考とポピュリストの動向が影響を及ぼしている世界において、さらに重要となるだろう」と述べた。
AvHのシュヴァルツ会長は「河崎教授は政党政治研究の発展に貢献するだけでなく、彼の研究成果は両国の政党政治の質向上に役立つことも期待されうる」と述べた。
フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト賞は、1978年にドイツ大統領が訪日したことを機に設立された賞で、連邦外務省の助成を受けている。受賞者にはAvHより5万ユーロの賞金が授与される。これまで、法学者や数学者、ドイツに関する研究者、物理学者、経済学者等幅広い分野の研究者がシーボルト賞を受賞している。また、日本には約1,700人のAvHフェロー経験者等が在住している。

 

2016年11月17日

 

AvH:Gauck ehrt Parteienforscher für Verdienste um deutsch-japanische Verständigung

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
顕彰 顕彰