【ニュース・ドイツ】将来の基盤としての学術と研究のさらなる強化

フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)は、学術界及び産業界の21の機関や協会との連名にて、連邦政府による将来の研究政策に対して声明文を発表した。内容は以下のとおり。

 

ドイツの経済的成功は、本質的に学術システムとイノベーションシステムの強さに基づいており、現在の社会の豊かさや発展、雇用状態、社会的な統合、そして国際的な競争力の土台となっている。大学や大学以外の学術機関における基礎研究ならびに応用研究は、企業の研究開発事業と同様に、不可欠である。
近年、連邦政府と州政府、経済界、学界は、学術システムとイノベーションシステムを強化するために、数多くの取り組みを行ってきた。中でも、研究開発費が国内総生産の3%にまで増加したことは、極めて画期的である。こうした取り組みのおかげで、ドイツは現在、学術とイノベーションの両分野において、世界を先導する立場にある。

 

社会が大きく変動する現代において重要なことは、このような取り組みを保持するだけではなく、それを強化することである。そうすることによってのみ、気候変動、エネルギー転換、人口増減、専門職の人材不足といった社会的な課題を克服し、デジタル化への移行から生まれるチャンスを活かすことができるのである。

 

署名機関は、連邦政府並びに州政府に、学術とイノベーションを将来的にも高い優先順位に置くように訴え、一貫して信頼性の高い学術とイノベーション政策の象徴として、研究開発費を2025年度までに国内総生産の3.5%の割合にまで増加させるという目標を支持する。

 

この目標を達成するにあたり、次のような措置が有用であると考える。

  • プロジェクトの助成を補足し、研究に従事している企業に対する優遇税制の導入
  • 学術協定の継続
  • 中小企業に開かれたテクノロジー助成プログラムの強化
  • 先端研究の強化、イノベーションの促進
  • 技術と学術的知見の移転のための新たな手段の活用
  • 高等専門教育と質の高い職業訓練の強化

上記の点に加えて、研究とイノベーションの場であるドイツに、新たに立案された法律がどのような影響を与えるかを考え、将来的に法制化する際、その法律がもたらす好影響と悪影響について検討しなければならない。

 

連邦政府の成長戦略の枠組みの中で、助成の重点は、将来的には部門横断的にかつ体系的に一貫した方法で、これまで以上に確実に定められるべきであり、助成プログラムの透明性や、明快なプロセス、助成活動の徹底的な実施、追跡可能な助成報告によって、関係機関による高度な受諾が達成される。
学術の進歩は、次の世代に対して社会的な結束、安定性、豊かさや繁栄を保障する本質的な基盤であると、署名機関は、連邦政府および州政府に、上記の措置を次の議会の会期中に実行するよう訴えている。

 

2017年10月10日

 

AvH:Wissenschaft und Forschung als Fundament unserer Zukunft weiter stärken

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究