【ニュース・ドイツ】子供たちを早期に個々に支援

ドイツにおけるほぼ3人に1人の小学生が、小学校で習う読み書きや計算の習得に関して問題があることがわかり、個々の成長やこれからの社会に対して不安を残す結果となった。上記の子供たちのうち、約半数が抱える学習困難度合いは非常に高いものであり、その子供たちは学習障害(読み書きや計算に関しての学習障害)と診断されている。今回の調査結果は、連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung:BMBF)の支援を受けて、ドイツ国際教育研究所、ヒルデスハイム大学、フランクフルト大学、ならびにオルデンブルク大学によって実施されたものである。

 

今回のプロジェクトにより、学習障害に関する学術的根拠のある診断ツールや支援ツールが開発され、初めてオンラインプラットフォーム上でもこれらのツールを自由に利用できるようになる。今後、学校やスクールカウンセラー、学習療法士、地方自治体の青少年局、そして子供たちの親がこれらのツールについて情報を集め、利用することが可能となる。今後の目標は、根拠に基づいた情報や診断ツールによって、できるだけ多くの学習障害を抱える子供や青少年を救うことである。

 

また第二言語としてドイツ語を習得する過程で、読み書きに問題がある子供たちをサポートするための支援策が計画されている。研究チームは、学校による支援と今までおろそかにされてきた子供たちにかかる心理的負荷、とりわけ学習障害の生徒たちが抱える不安を改善することが特に重要であると考えている。というのも、算数や朗読を恐れている子供は、学習に対しての自信がさらになくなり、学習のモチベーションをますます失ってしまうからである。

 

あらゆる面で研究チームは現場である学校の代表者たちと密接に共同作業をしているため、すべての診断ツール及び支援ツールが正しく利用されることになる。今後は、子供の学習障害リスクを素早く、そして確実に確かめられるよう、教師に対してアンケートを作成する予定である。
遊びながら読み書きや計算の習得を手助けすると評価されている、いわゆる「シリアスゲーム」と呼ばれるコンピューターゲームが、学習支援においてますます重要になりつつある。このゲームで遊ぶ際、コンピューターが個々の学習状況に適応し、学習成果を素早く反映させることで子供たちにより一層やる気を持たせることができる。

 

2017年6月6日

 

BMBF:Kinder frühzeitig und individuell unterstützen

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究
その他 その他