【ニュース・ドイツ】大学卒業生の職業能力を向上させるため産学間で合意

大学卒業生の職業能力(employability)はドイツの未来にとって一つのキートピックになると、大学や労働組合、雇用者らは考えている。職業能力とは何を意味し、労働者市場4.0において成功するためにどのようなスキルや資格を獲得しなければならないのか、ドイツ大学長会議(HRK)の代表者やドイツ雇用者団体連合会(BDA)、ドイツ労働者連合(DGB)および関係者らは合意に達した。
HRKの理事であるブルクハルト教授曰く、「職業に関連した実践的な見解を視野に入れて、大学は学修課程をさらに洗練させ、学生たちの科学的能力を向上させる支援を行う。科学的な課題解決能力は、高等教育の中心的な特徴であり、これからもそうであり続けるであろう。大学は学生を特定の職場のために教育するわけではないが、アビトゥーア(大学入学資格)の形式でもって一般的な大学入学認証を若者たちへ授与するのと同様の方法で、学士や修士の学位、言いかえれば、大学内外において職業に従事するために必要とされる科学的な能力の形式でもって“就業のための一般的な認証”を与えることを願っている。」
BDAのブラウン理事は次のように述べている。「専門大学の卒業生の半分が、そして総合大学の卒業生の2/3が、勉学と実践との関連性や、大学が就職のために訓練した方法について満足していない。このため、我々は大学とビジネス間の協力をさらに強化したいと望んでいる。同様に、産業界のデジタル化も両者の緊密な協力を必要としている。理論と実践は相互に勉学の間で矛盾するのではなく、互いに補完するものなのである。勉学にとって実践との関連性は研究と同様に必要不可欠な要素であり、学生たちに自らの職業人生へむけて準備させ、そしてドロップアウト率を減らすことができる。」
ドイツ研究振興会(DFG)の副理事長であるハンナック氏は加えて、「特に急速な技術的発展によって産業界の要求は絶えず変化している。産業界は、概して雇用システムと社会における責任を引き受け、労働界を積極的に形作っているが、彼らが求めているこれらの変化に対処できる能力を得ようとしている学生を支援するのが大学の責任である。学修の課程は、雇用の潜在的な幅広い分野に常に開いているべきである。個々のビジネスや特定の地位に、緊密に近く作られすぎてはいけない。広い意味で、学修の課程は学術的な職業的訓練でもある」と述べた。

 

HRK:Joint declaration by the HRK, BDA and DGB: Further improving employability of graduates

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、質の保証
社会との交流、産学官連携 産学官連携