【ニュース・ドイツ】卓越した学術は卓越した研究インフラを必要とする

様々な種類の大規模な研究インフラ*は、今日では多くの学問分野の発展に不可欠である。新しい研究インフラの開発とインフラへの効率の良いアクセスは、ドイツの卓越した学術及び学術拠点としての魅力を保つため非常に重要である。このような研究インフラの計画、構築、運用は大学および研究機関にとって財政的にも組織的にも大きなチャレンジである。

 

国内および国際的な研究インフラの重要性の増大に鑑み、ドイツの大学と研究機関が将来も研究インフラの計画、構築、運用にリーダ-的立場で参画できるよう、ドイツ学術機関連盟は、ドイツ連邦教育研究省の研究インフラのための国内ロードマップの優先順位付け方式を進展させるといった、具体的な提案をしている。

 

≪研究インフラの資金≫
国内研究インフラに関する学術政策の一番の難問は、研究インフラの構築、運用、廃止の資金を組織的、持続的に整備することにある。

 

ドイツ学術機関連盟は、政策的なプレーヤーが学術機関と共同で、経済包括的な事業者モデルの前提条件と影響を検証し、必要があれば共同で新しい経済的に実りのあるモデルを開発することを提唱する。

 

研究インフラの構築から撤去までの全コストを考慮しつつ、同様に開発段階の全関与者の貢献を評価し、ガバナンスモデルと資金コンセプトにおいても同様の考慮がされねばならない。

 

≪ロードマップ手続き進展のために≫
ロードマップ手続きは、現在の形態では、提出される個別コンセプトの高い成熟度を前提とする優先順位付け手続きである。ドイツ学術機関連盟は、二段階方式を設けることを提案している。内容としては一段階目はその時点で可能な具体化のコンセプトのスケッチに限り、二段階目で全コンセプトを要求するべきというものである。

 

優先順位付け手続きに参加するには、計画研究インフラの総ライフサイクルのための(コンセプトの状態に合った)コスト予想の書類、並びにコスト分配とコストカバーのためのコンセプトを含む組織モデルの書類が要求事項とされなければならない。コスト見積もりと組織モデルは二段階のロードマップ手続きで議論され、申請に適当な成熟度まで反復して進展させるべきである。

 

研究インフラの国内ロードマップの作成は、全てのプレーヤーを包含する、秩序ある透明な手続きを必要条件とする。事前に周知されている周期で確実な繰り返しが必要である。

 

研究インフラの長期にわたる計画期間に鑑みて、ドイツ学術機関連盟は、次期政権任期の初期にできるだけ早急に将来的なロードマップ作成手続きの明確化を図ることを重要だとしている。

 

提案された二段階方式の手続きは各専門コミュニティー内での、付随のニーズ認定プロセスを代替することはできない。しかし、このようなニーズ認定のためにまず相応しい自らのガバナンス構造を作らなければならない分野があることも含みおかねばならない。

 

* ここで使用されている「研究インフラ」は研究インフラの補助金法上の定義に限られない。

 

2017年2月23日

 

AvH:Exzellente Wissenschaft braucht exzellente Forschungsinfrastrukturen

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究