【ニュース・ドイツ】人文科学、文化科学、社会科学を強化

ドイツにおける人文科学、文化科学及び社会科学の研究は、長い伝統を誇り、世界的に見ても評価が高い。激化する国際競争においてもこれらの分野の研究を強化し、実際の要請に応えるため、ドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung:BMBF)は、5年前に初めて、研究助成の重点と目的を定める「人文科学、文化科学及び社会科学」のフレームワークプログラムを立ち上げた。

 

チューリヒ大学(Universität Zürich)のヤーレン(Otfried Jarren)教授を筆頭とする独立した専門家グループが一年に渡って評価を行い、『このプログラムは成功し、BMBFはその助成により、ドイツまたは国際的な学術システムにおいて、人文科学、文化科学及び社会科学を目立たせ、これらの分野の評価を高めた点で大きく貢献した。』との結果となった。

 

人文科学、文化科学及び社会科学における国際化、ネットワーク、そして共同研究を促進するために、BMBFは、フレームワークプログラムを通して、国際的な研究協力を目標に掲げ、若手研究者のためのネットワークや拠点の設立、プログラムの構築の助成を行なっている。その助成内容は、大学が有する所蔵物の再発見から、イスラム教神学の拠点設置、国際的な研究組織「マリア・ジビーラ・メーリアン(Maria Sibylle Merian)高等教育センター」の設立、「デジタル人文学」の助成、革新的な情報インフラの構築にまで及ぶ。

 

今回の評価の目的は、フレームワークプログラムの有効性や助成内容の検証であり、その結果によれば、フレームワークプログラムは総じて、国際社会における研究拠点としてのドイツの魅力を大きく高めた。BMBFは、学際的な研究テーマに重点を置く他、学術内のコミュニティを強化し、人文科学、文化科学及び社会科学の国際化を推し進めてきた。フレームワークプログラムが助成する教育組織として、ケーテ・ハンブルガー・コレークセンター(Käte Hamburger Kolleg)、地域研究センター、文化遺産機関が特に成功していると強調されている。また、学際的な共同研究は、フレームワークプログラムによって一層強化された。

 

2017年9月20日

 

BMBF:Geistes-, Kultur- und Sozialwissenschaften gestärkt

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
国際交流 国際化
研究支援 研究評価