【ニュース・ドイツ】ドイツ研究振興協会(DFG)に新理事2人が就任

ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)は、2人の新たな理事を迎えた。7月6日にマインツ大学で開催されたDFG年次総会において、ミュンヘンで活躍する化学者であるフィッシャー(Roland A. Fischer)教授とフランクフルトで活躍する文学者であるグリーム(Julika Griem)教授を理事として選出した。フィッシャー教授はボンの生化学者ファムロク教授、グリーム教授はミュンスターの古代史学者フンケ教授の後任として就任する。実験物理学者のエアトマー教授は他の2人の新たなメンバーとともに4年の任期で再任された。
フィッシャー教授は2016年1月から、ミュンヘン工科大学の無機・有機金属化学分野(Inorganic and Organometallic Chemistry)の長を務めている。それ以前は、1997年から2015年まで、ルール大学ボーフム(RUB)で無機化学の教授を務めていた。彼は1961年生まれで、ミュンヘン工科大学で博士号を取得し、カリフォルニア大学でのポスドク経験後、大学教授資格(ハビリタチオン)を同じくミュンヘン工科大学で取得している。その後ムンバイと京都で客員教授を務めた。フィッシャー教授はRUBに設置された研究所である“Alfried Krupp School Laboratory”の創設者でありまた研究所長として、またドイツ学術財団連盟のプロジェクトにおいても、自然科学と人文社会学の融合に尽力してきた。この学際的方針は、あらゆる科学分野を融合させた大学院である。ルール大学研究院における議長としての彼の役割にも反映された。フィッシャー教授はDFGの重点プログラムのコーディネーターでもある。2012年から、彼は共同研究センターにおける共同研究センターでの上院委員会のメンバーとして、学術の自己統制に尽力している。彼は2002年から2012年までRUBの教育学部の副学部長として、この課題について貢献してきた。
グリーム氏は1963年生まれで、フランクフルト大学の英文学の教授である。グリーム氏はフライブルクとマサチューセッツにあるアマーストの大学で英文学とドイツ文学の研究をしてきた。フライブルク大学で博士号を取得した後、シュトゥットガルト大学において、 “Monkey Business. Apes as Figures of Anthropological and Aesthetic Reflection 1800–2000”という課題名で大学教授資格(ハビリタチオン)取得した。2005年から2012年まで、ダルムシュタット工科大学にて、英文学の教授を務めていた。グリーム氏は、2012年からDFGのハインツマイヤー・ライプニッツ賞(Heinz Maier-Leibnitz-Preis)の選考委員会の委員、2015年からはDFGの文学研究分野の審査委員を務めている。また、2014年からは共同学術会議(GWK)の戦略委員会とDFGのエクセレント・イニシアチブ助成委員会の選考委員も務めている。
彼女は、2016年3月からフォルクスワーゲン財団が助成している大学院研究グループである “Schreibszene Frankfurt”の長も務めている。2006年から2012年まで、彼女はダルムシュタット工科大学の“Topologies of Technology”と題したDFGのリサーチトレーニンググループのメンバーでもあった。
エアトマー氏は1949年生まれで、1994年からハノーファー大学にて実験物理の教授を務めている。以前は彼自身の出身大学であり博士号及び大学教授資格(ハビリタチオン)を取得したボン大学に在籍していた。エアトマー教授の専門研究分野は、原子物理学、量子光学、そしてレーザー冷却である。また、彼の研究の功績が認められて1997年にはDFGのゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞(Gottfried Wilhelm Leibniz-Preis)を受賞している。エアトマー氏はDFGの戦略計画の上院委員会のメンバーでもある。2013年に副会長となって以来、彼はDFGの資金調達プログラムの実施と発展において重要な役割を担ってきた。更に、国際共同研究、特にヨーロッパとヨーロッパサイエンスにおけるDFGの代表者として非常に貢献してきた。
DFGの理事長であるシュトローシュナイダー教授と理事であるフィッシャー教授(新任)、グリーム教授(新任)とエアトマー教授(再任2期目)に加えて、その他の理事会の理事として、工学系のアルゲヴァー教授、分子生物学者であるベッカー教授、医学者であるブルックナー・ツダーマン教授、数学者であるホッホブロック教授と法学者であるシェーン教授が名を連ねる。ドイツ学術財団連盟の会長であるバーナー教授は理事会の顧問として席を残している。また、DFGの事務局長としてズウォネク氏がアドバイザーの立場から理事会に参加する。会長と共に、理事会は今後、戦略的かつ概念的な方向でDFGを発展させていく。

 

2016年7月6日

 

DFG:Two New Vice-Presidents – One Male, One Female – for the DFG

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事