【ニュース・デンマーク】コペンハーゲンにESSデータセンターが開所

世界最先端の中性子拡散施設*、「欧州核破砕中性子源(European Spallation Source:ESS)」の建設がスウェーデンで進められているが、その一方で、2016年8月26日、このESSで生成される全ての研究データを処理するデータセンターがデンマークで正式に開所した。
Ulla Tørnæs高等教育・科学大臣は、これはデンマークの研究界にとって記念すべき日であると話し、データセンターの開所を歓迎した。ESSは、デンマーク周辺では初めての大規模な国際研究施設となる。ESS自体はスウェーデンのルンドに設立されたが、そのデータセンターであるESSデータマネジメントアンドソフトウェアセンター(Data Management and Software Center:DMSC)が、コペンハーゲン大学の協力を得てデンマークにオープンした。DMSCは、実験から得られた研究データの保存、処理、分析を任されており、実験に携わる研究者らを支援する。また、ESS独自の重要な研究にとってのデンマークにおける拠点にもなり得る。
ESSという世界的な先進施設がオーレスン(Øresund)地域に設立されることで、デンマークの企業や研究者にとっては、またとない機会が生まれる。ESSは、特に材料技術や生物科学分野の企業や研究者をオーレスン地域やスウェーデン、デンマークに誘致することになると期待されている。

 

*中性子拡散施設(ESS):
試験材料物質上で放出される大量の中性子を観察できる極めて高性能な顕微鏡。中性子がどう拡散するかを記録することで、試験材料物質中の原子および分子、その位置や相互作用を解明することができ、これによりESSは、単純な結晶から大きなタンパク質に至るまで、物質の正確な構造的「イメージ」の把握ができるようになる。

 

【出典】
JSTパリ事務所ウェブサイト:コペンハーゲンにESSデータセンターが開所
デンマーク科学技術イノベーション省ウェブサイト:Pivotal data centre opens in Copenhagen

地域 北欧・バルト三国
スウェーデン、その他の国・地域
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
国際交流 国際化
社会との交流、産学官連携 産学官連携