【ニュース・デンマーク】国家戦略として北極圏の研究・教育を重視

政府は北極圏における研究、教育、イノベーションに力を入れていく方針である。北極圏研究を進めることで、気候変動をより理解し、気候変動が人間や環境、動物、惑星にどのような影響を及ぼすかなどを知る手がかりを得られると期待される。また、北極圏における北極圏に関する教育は、若者に北極圏の状況に関する知識を十分に身につけさせ、北極圏の持続的発展に貢献できる若者を育てるという意味においても非常に重要である。
2016年11月1日、Ulla Tørnæs 高等教育科学省大臣は今後同省が北極圏研究にどのように取り組んでいくか、その概要となる新しい戦略を打ち出した。
「我々はデンマークを北極圏研究及びその教育において世界をリードする国に成長させる必要がある。我々はグリーンランドやフェロー諸島と協働して、北極圏の持続可能な発展を支援したい。北極圏研究は、気候変動のような地球規模の問題に直接関連する。デンマークは北極圏についてより深く知り、北極圏について十分に教育を受けた若者を世に送り出すことが、未来への鍵となると考えている。」とTørnæs 大臣は話す。
この戦略は利害関係者と幾度となく意見交換を重ねて立てられたものであり、それに伴い様々な新しいプロジェクトが計画されている。例えば、グリーンランド自治政府と合同で、グリーンランドに北極圏研究のハブとなる国際的な研究施設を設置する可能性について検討が始められる。
また別のプロジェクトでは、デンマークで教育を受けることを希望するグリーンランドの学生の招致支援が試験的に行われる予定である。このプロジェクトでは、言語の壁や住居の確保、異文化理解など、デンマークで学ぶグリーンランド人学生の多くが直面する問題を解決に導き、彼らが無事にデンマーク留学をやり遂げられるように支援する。
この戦略は、デンマーク王国を構成するデンマーク、グリーンランド、フェロー諸島が、具体的な課題解決に向けて協力してイニシアティブをとっていく道を切り開いた。Tørnæs 大臣は「デンマーク王国共同体が共通の関心ごとに基づき公平で近しい対話を行ってきた結果、王国内にこのような素晴らしい協力関係が生まれた。」と強調した。 

 

【出典】
デンマーク高等教育科学省:New strategy to strengthen Danish research and education in the Arctic

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