【ニュース・タイ】高等教育システムの改善

2014年9月14日、高等教育システムの改善について会議が行われ、Dr. Krissanapong Kirtikara教育副大臣、Dr. Amornwich Nakornthap教育大臣補佐官、M.D. Kamchorn Tatiyakawee高等教育局事務局長、Assoc. Prof. Khunying Sumontha Phromboon高等教育局長、Prof. Wichai Riwtrakul高等教育副局長が参加した。各論点は以下のとおり。

1.高等教育の役割の明確化
大学が各大学の理念に基づき、かつ国の需要に応える方向で大学の発展を行っていきたい。学生の教育に力を入れている大学は、国際的な水準に見合う優秀な人材を輩出しなければならない。研究に力を入れている大学は、国内の経済と経済分野の両方からの需要に応えなければならない。また、世界で競えるレベルの研究開発を行わなければならない
高等教育局は大学側と話し合い、高等教育の役割を明確化するために政府からどのような分野での支援が必要であるかを特定する必要がある。教員の資質開発のためのガイドラインの策定、奨学金、開発のための資金、予算配分システム、内部及び外部監査などがこれには含まれる。

2.各大学の理念と国の要望に沿った大学改革
高等教育局は、大学のカリキュラムを管理し、大学の理念と国の要望にあった教育を学生に対して行っているかどうか監督しなければならない。以下2つの面での監督が必要である。

1)カリキュラム
高等教育局には、大学の数やそのカリキュラム、学生数を管理する権限がない。過去10年間、卒業後すぐに就職できるのは、大卒者3人に対して1人だった。このため、毎年、15万人の大卒者が就職先を見つけることができていない。この人数は今後も増える見通しで、これは、教育レベルや学習分野が労働市場の需要と合っていないためである。例えば、大卒者が増加する一方で、就職先の募集があるのは職業学校や高等職業学校の卒業者である。十分な学業を身につけないまま卒業する者もいる。彼らが就職先を見つけることができなければ、学生ローンの返還も滞ることが懸念される。

2)大学データ
大学は、各コースにおける収益と卒業生の雇用先と収入データを開示することが求められる。現在、高校生とその親は、大学卒業後の各コースにおける就職に関する情報がほとんどない。さらに、予算を配分する政府も大学の各コースの収益を確認できていない。
今後、高等教育局の大学のカリキュラムの監督と卒業生の質と量の管理を行う役割について議論が必要である。さらに、大学のデータ開示を進めることで、大学は、国や地域の需要に応えたカリキュラム設計を行い、社会の発展につなげることができるだろう。

3.教員養成と開発のための教育学部の役割
高等教育局はすでに教員養成と開発のシステムを監督しているが、教員開発に取り組んでいる機関がほかにもあり、教員養成システム構築のために様々な機関を巻き込んだ話し合いが将来的に必要である。

(2014年9月26日 タイ教育省)

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価
人材育成 教員の養成・確保