【ニュース・タイ】研究者2名がマヒドン賞受賞

2015年1月28日、2014年のマヒドン賞授賞式が王宮において行われ、Maha Chakri Sirindhorn 王女殿下より2名の受賞者に賞が授与された。受賞者は次のとおり。

・株式会社バイオファーム研究所所長 遠藤 章 教授
・ジョンホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生研究所 Donald A. Henderson

医療分野での受賞となった遠藤氏は、血中のコレステロール値を減少させる物質を菌類から抽出することに成功し、コレステロール低下に有効なスタチンを1970年代に発見した。この発見により開発された心筋梗塞の予防薬は世界中で多くの人の命を救っている。

遠藤氏は1950年代にニューヨークに留学したことが研究の起点であったと述べた。ニューヨークでは多くの高齢者が心臓病を罹患していた一方、日本人の心筋梗塞死亡者数はがん死亡者数の3倍であった。遠藤氏は日本に帰国後、6000株の菌類を調べ、コレステロール低下に有効なスタチンを発見した。

公衆衛生分野での受賞となったHenderson博士は、1966年から1977年に世界保健機構(WHO)の天然痘撲滅キャンペーンを主導し、天然痘の根絶に功績をあげた。
このキャンペーンは集団予防接種と集中調査プログラムの強化に世界的に取り組んだもので、ソマリアの症例を最後に天然痘は根絶された。Hederson博士は、このキャンペーンは天然痘の撲滅は可能であることを世界に示したと述べた。

マヒドン賞には25か国から59名がノミネートされており、2名の受賞者は受賞について光栄であると述べた。

(2015年1月28日 Bangkok Post紙)

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