【ニュース・タイ】大学に求められる就職率の開示

タイの大学は専攻ごとの卒業生の就職状況を開示し、市場の需要に見合った人材育成を行うよう求められている。

Krissanapong Kirtikara副教育大臣(高等教育担当)は、学生の就職について以下のような懸念を示した。多くの学生が市場の需要に対して供給過多となっている専攻で学んだ結果、彼らの多くが大学で学んだ専攻に関連する分野に就職できていない。一方で、より人材を必要としている職業学校の卒業生が圧倒的に不足している。

現在、タイの高等教育は第2次長期高等教育計画(the second phase of a 15-year development plan for higher education)の下、高等教育の質を向上し国の競争力を高めることを目標としている。この目標を達成するためには大学のガバナンス向上が重要である。コースの情報や卒業生の就職率を公開することも大学のガバナンス向上につながる。現在、200万人以上の学生が大学で学んでおり、そのうち20万人の学士号保持者が卒業後に就職できていない。

Amornvit Nakornthap大臣補佐官は、大学が国からの独立を維持するためには社会に対する説明責任を果たさなければならないと述べた。市場の需要とのミスマッチが原因で、卒業生が自分の学んだ専攻と関連する分野で就職できない現状は問題である。その一つの例として、1年に必要な小中高等学校の教師が2,000人であるのに対して、現在は1万人以上の教師希望者がおり、教育分野を専攻した大卒者の多くが就職先を探している。

Krissanapong副教育大臣は、学生は年間10万バーツの授業料を払い、大学は国民の税金から何10億バーツの予算を得ており、社会に対して説明責任を果たさなけれならないと述べた。少なくとも詳細なコース内容や卒業生の就職率を公開し、入学前の学生がコース選択の際に参照できるようにしなければならない。

職業教育局も職業学校の卒業生に対して就職を保証し、職業教育学校へ進学する学生が増えるよう努めなければならない。現在、タイでは中級の技術を持つ人材の需要が非常に高い。

学生の保護者も子供が職業学校に進学することを推奨すべきだ。タイの経済発展は大学卒業者ではなく、実社会で役立つ技術を身につけた人材によって牽引されている。現在の職業学校では市場の需要を満たす人数と質を持った卒業生を輩出できていないことが懸念される。

(2014年10月27日 Bangkok Post紙)

地域 アジア・オセアニア
タイ
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