【ニュース・タイ】労働者の能力向上のため資金投入が必要

アジア開発銀行(ADB)は、熟練労働者を養成するため、教育開発にもっと投資するよう政府に要請した。

ADB のWolfgag Kubitzki社会分野主席専門家は、昨日バンコクのタイランド・レジデント・ミッション(TRM)で開催された円卓会議『2015年アジア・太平洋地域の重要指標:賢明な未来、共栄に向けた能力開発』で次のように述べた。

「国内・国外の労働市場に通用する高い基準の労働力を育成するため、学生の能力を向上させるために、高校・大学を含む、高等教育に対する資金投入を増加させることは、必須である。

高等教育の近代化には、高度な設備が必要であるため資金が必要であり、高等教育をレベルアップさせるために基礎教育からその資金を回収して注ぎ込むことになる。

基礎レベルに大部分の教育予算を使えば、その残額が高等教育をレベルアップに使われることになり、非常に限られたものになる。政府は70%から90%の予算を初等教育に支出している。

教育予算がすべてのレベルにおいて計画的に支出されない限り、タイは生産性を向上させることはできず、能力は隣国に追いつけないだろう。

教育に変革をもたらすため、経済計画と教育計画は足並みを揃える必要がある。

Eラーニングや遠隔教育等の教育イノベーションは、タイの教育改革にとっての鍵である」

タイ開発研究機関(TDRI)教育システム研究所のPumsaran Tongliemnak氏は次のように述べた。

「職業教育コースに申し込む生徒が増加し、応募状況は改善した。2009年から昨年まで、職業訓練コースの学生数は3万人以下から6万人以上となり、倍増した。

一方、ADBの研究は、カザフスタン、タイ、インドネシア、パキスタンとフィリピンの労働者は、会社がロボットや3Dプリンターのような技術を導入すれば失業する可能性があり、カザフスタンにおける平均的収入の仕事の28%、タイ26%、インドネシアとパキスタン21%、フィリピン20%は技術が労働者に取って代わることにより消滅する高い危険性があると指摘した」

 

(2015年10月22日 Bangkok Post紙)

地域 アジア・オセアニア
タイ、その他の国・地域
取組レベル 国際機関レベルの取組、政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 学生の多様性、高技能職業人材の育成