【ニュース・タイ】中所得国から抜け出すための科学技術

King Prajadhipok Instituteにより、2015年ASEAN経済統合に向けたタイの科学技術に関するセミナーが開催され、Yongyuth Yuthavong副首相、タイ科学技術開発庁(NSTDA)Thaweesak Koanantakool理事長、タイ研究財団(TRF)Amaret Bhumiratana理事が以下のとおり講演を行った。

Yongyuthタイ副首相
タイは科学技術イノベーションレベルを考慮すると、ASEANのリーダー国となる潜在力を持っている。科学技術イノベーションは、タイが2030年までに中所得国から抜け出すための鍵である。タイの科学技術イノベーションのレベルを向上させなければならず、そのためには教育が重要である。

今後15年間で中所得国から抜け出し先進国となるためには、息の長い努力が必要である。ASEAN経済統合によって政治、経済、社会文化の統合が進むが、これを受けて、科学技術もASEAN域内全体で統合されるだろう。
官民両方が参加し、科学技術分野での統合が進むことがASEAN諸国にとって望ましいASEANの科学技術における統合は隊にも大きな利益をもたらすだろう。
ASEAN諸国は多様な文化を持っているが、貿易、産業、農業等の分野において共通する利益も多い。さらに、科学技術の発展とその応用による社会の発展という面においても共通の恩恵を受けることができるだろう。

NSTDA・Thaweesak Koanantakool理事長
NSTDAは国の優先政策である中小企業支援を実施している。中小企業は、タイサイエンスパークの施設利用などのインフラ面での支援、技術トレーニング、セミナー、専門家データベースの利用などの人材面での支援、研究資金の提供や低金利での融資、共同投資や研究開発費にかかる税の20パーセント優遇などの資金面での支援を受けることができる。研究やテクニカル面では、受託研究や共同研究、試験分析サービス、産業化に関するコンサルタント、技術供与などを行っている。ビジネス面での支援も行っており、これには知的財産権に関するサービス、技術供与オフィス、ビジネスマッチング、ビザや就労許可取得の補助が含まれる。

テクノロジー事業の起業家から中小企業、さらに大企業まで、様々なビジネスステージに合わせて資金面、技術面、資源面での支援を提供している。タイサイエンスパークは、民間セクター、NSTDAと協力大学間での研究開発連携を促進している。
TRF・Amaret Bhumiratana Royal Golden Jubilee PhD プログラム担当理事
効果的な頭脳循環プログラムを推進し国際的な研究連携を進めることでタイの研究成果と影響力が国際的に高まるだろう。
このため、共同研究ネットワークと共同研究センターを設立しなければならない。共同研究プロジェクトは、タイの経済・社会問題の解決に資するものでなければならない。タイと外国の研究者は、研究資金を含めて、対等な立場で連携することが望ましい。分野横断的な研究者チームによる研究が成功することが実証されているが、研究ネットワークを効果的に活用すれば、様々な分野の研究者をプロジェクトに取り込むことができる。

(2014年9月22日 Nation紙)

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価