【ニュース・タイ】アジア大学ランキングでタイの大学が順位を下げる

最新のアジア優良大学リストは対象を200校に拡大したが、タイの高等教育機関でランクインしたのはわずか7校であった。

 

全体的に見ると、タイの大学の順位は著しく低下した。トップ50にはどの大学もランクインせず、トップ100には2校がランクインしたのみであった。最も結果が良かったのは、90位にランキングされたマヒドン大学であった。その次はキングモンクットトンブリ工科大学で、一昨年は50位、昨年は55位、今年は98位だった。

 

残りの5大学は下位100校(100~200位)で、それぞれチェンマイ大学が141~150位、チュラロンコン大学が151~160位、スラナリー大学が161~170位であった。

 

コンケン大学とプリンスオブソンクラ大学はともに181~190位だった。

 

昨年まで、Times Higher Educationによるこの有名なアジア大学ランキングでは、高等教育機関100校が掲載されていたが、ランキング編集者のPhil Baty氏は「アジアの優良大学リストにタイの大学が7校しかランクインせず、トップ100にタイが大した影響を与えていないということは残念だ。」と述べた。

 

国立大学は、多くの地方大学よりグローバルな見通しをより強めているが、国立大学の研究環境に対する評価は低い。

 

Times Higher Educationは、政府の高等教育への投資責任の弱化を招いてしまった2013~14の政治的危機もあり、近年、タイの大学は前進するよう努力してきたものと考えている。

 

Baty氏は次のようにも述べた。「タイ政府の国立研究大学事業は2009年以降、研究機関に資金を投入しており、科学論文は近年増加している。だが、2013~14年のタイの政治的危機によって国立大学の活動は妨げられ、政府の高等教育への投資政策は、同じASEANメンバーであるシンガポールに比べ弱化した。」

 

「このランキングには、欧米のエリート校に挑み始めている勢いのある大学ばかりで、タイは取り残されるわけにはいかない。」

 

Times Higher Educationは、世界レベルの大学を推進するよう策定した国の戦略は、アジア全域で当たり前のものとなってきたと指摘した。例えば、中国は、北京大学と清華大学を超エリート校にすることを目標とした985プロジェクトを開始した。

 

同2大学は、アジア大学ランキング2016でそれぞれ2位と5位にランキングされた。

 

北京大学はシンガポールの南洋理工大学と2位の座を分け合い、1位の国立シンガポール大学に迫った。

 

(2016年6月21日 The Nation紙)

地域 アジア・オセアニア
タイ、中国、その他の国・地域
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
統計、データ 統計・データ