【ニュース・スウェーデン】ストックホルム大学が、ヨーロッパのスタートアップハブの形成にどのように役立つか

シリコンバレー以外の他のどの都市よりも一人当たりの技術ユニコーン企業(企業としての評価額が10億ドル以上で、非上場のベンチャー企業)数が多いことから、ストックホルムはヨーロッパで最も重要な技術拠点と言っても過言ではない。
スウェーデンは、グローバルイノベーション指数でも世界2位にランクされており、長年重要な役割を果たしてきた。中でもストックホルム大学は、世界随一の聡明な知性を結びつけ、私達の生活のすべてを変える可能性をもつ最先端の研究を遂行する。

 

ストックホルム大学の研究者であり、准教授を務めるFredrik Blix氏は、 英語で学べる数多くのプログラムの1つである情報セキュリティ学を修士課程の学生に教えている。同大学は1960年代に情報セキュリティ分野の学術研究と教育の先駆者となったが、今日のデジタル時代においては、これまで以上に関連性がある。プログラムは完全に英語で行われ、学士号取得者であれば受講可能である。つまり、あらゆる生徒に可能性が開かれているというわけだ。
この分野での教育を実社会に適用することは、広範囲に影響を及ぼす。同大学の研究者は国際標準化機構と協力し、世界中のほとんどの人が追随するであろうサイバーセキュリティ基準を開発している。
しかしそれは、同大学の優れた技術力を示すほんの一例にすぎない。同大学の別の研究者であるMats Nilsson氏は、腫瘍や細菌のサンプルを分析し潜在的に診断できる、3Dプリンターで作成するスマートフォンベースの顕微鏡を開発した。これは癌及び抗生物質耐性と闘うために役立つ。
また、同大学はモバイルサービスや普遍的なコンピュータ使用に関する研究を行うモバイルライフセンターの本拠地でもあり、エリクソン、マイクロソフト、ストックホルム市と提携している。約30人の研究者は、コミュニケーションを育む新しく斬新な方法で、私たちの生活の質にいかに良い影響を及ぼすかを研究している。
「多くの学生が、ストックホルム大学のプログラムで学んだ後、自らの会社を立ち上げ、研究者は自分たちの会社を立ち上げることが多い。大学と市との連携関係を強化することで、新規の起業家やこれまで経験のある起業家と研究者とがつながりを持ち、アイデアを共有できるような場所になる。結局のところ、ストックホルムには沢山の知力が集まっているのだ。」とBlix氏は言う。

 

【出典】
THE LOCAL se:How Stockholm University helps shape Europe’s startup hub

地域 北欧・バルト三国
スウェーデン
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
社会との交流、産学官連携 地域連携、産学官連携