【ニュース・イギリス】REF(Research Excellence Framework)インパクト事例研究分析とインパクト評価の査定方法に関する調査

2014年9月22日、イングランド高等教育財政会議(HEFCE)は2014年Research Excellence Framework(REF※1)について、HEFCEとスコットランド、ウエールズの各助成団体、英国学術会議その他共同で、各大学より提出された6, 975のインパクト事例研究を分析すると発表した。REFの一環として、各大学の研究がアカデミア以外に対し与えたインパクトの事例研究の提出が義務付けられており、これらの事例研究は、経済、社会、文化、公共方針やサービス、健康、環境、人々の生活のレベルに至る様々な分野において研究がどのように貢献し各分野にどう変化をもたらすのかを述べている。
 分析の目的は次の2点である。

・インパクト事例研究について、自動テキストマイニング(大量の文字情報を自然言語処理などで分析し、有用な情報を抽出する技術)を含めたあらゆる方法で、誰でも自由に分析ができるようにする。

・インパクト事例研究について、社会一般に対し高等教育機関の研究が及ぼすインパクトに関するエビデンスを収集し、そこから共通のテーマやメッセージを抽出することで、質と量の観点からの分析を実施する。

※1英高等教育機関の研究の質を評価する新しい制度。2014年のREF分析結果は12月に発表され、2015年度の研究助成金の配分はその結果を用いて実施される。

続いて10月20日に、HEFCEはREFのインパクト評価の査定方法に関する調査を、RANDヨーロッパ(※2)に委託したことを発表した。同団体は、REFの各パネル(※3)について現在の査定方法の長所と短所を明らかにし、将来的にどのようにインパクトを評価するのが最善かを考慮する。
 調査は既に開始されており、2015年春季に完了する見込みである。
 この調査は、REFのインパクト評価についての二段階調査の後半部にあたる。前半部は、各機関への提出書類を準備する過程について調査するもので、この調査結果も利用して本調査が行われる。双方の調査結果は2015年に発表、それに伴って更に改善されたREFの方針も報告する予定。

※2様々な団体に、研究・分析を用いて方針・戦略決定などについてアドバイスする非営利団体
※3分野ごとに4つのメインパネルに分けられている(URL2を参照)

URL1: http://www.ref.ac.uk/panels/unitsofassessment/
URL2: http://www.hefce.ac.uk/news/newsarchive/2014/news95683.html
URL3: http://www.hefce.ac.uk/news/newsarchive/2014/news88461.html

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
統計、データ 統計・データ