【ニュース・イギリス】EU離脱における科学研究の優先順位

2017年3月20日、英国議会の「議会と科学」(Parliamentary and Scientific Committee)委員会の委員長を務める Stephen Metcalfe 議員はEU離脱の正式通告と離脱交渉に向けた、英国科学研究コミュニティーのための優先事項の概要に関する声明を発表した。

 

この声明は英国の研究、イノベーション関係者からの助言とエビデンスに基づいたもので、「議会と科学」委員会での議論(英国が研究、イノベーションにとって世界でも最適な場所であることをいかに強く肯定的に伝えるか、またどのように英国全体の国民生活の向上につなげていくか)を経て発表された。

 

英国にとって戦略上重要な人材(研究者、技術者等)の安定的な確保、研究開発投資の継続性、世界との研究交流とネットワークの継続性、最先端研究を可能にする法規の継続性の4点が優先事項として挙げられ、それぞれについてEU離脱交渉時に優先、考慮すべき具体的ポイントが挙げられている。

 

Parliamentary and Scientific Committee:Science priorities for Brexit

 

Parliamentary and Scientific Committee:Science priorities for Brexit(Final)[PDF:1.05MB]

Parliamentary and Scientific Committee:Science priorities for Brexit (Evidence report)[PDF:224.00KB]

 

【関係機関の反応】

 

○ラッセルグループ(Russell Group)
同グループの事務局長代理の Tim Bradshaw 氏は「我々の大学は国際的に活動しており、研究基盤が強い理由のひとつはヨーロッパと強い絆を作り上げたことである。ホライズン2020、欧州研究会議(European Research Council)等のプログラムは英国の科学研究やEUにとって素晴らしいものであり続けてきた。EUの助成金は英国研究を支援し、EUの研究者は次世代の研究者養成に貢献してきた。EU離脱後もこのような連携を継続することは必須である。今回の声明で示された優先事項を実施することで、英国が研究の最先端に居続けることが可能になる。」と述べた。

 

Russell Group:Parliamentary and Scientific Committee

地域 西欧、EU
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
人材育成 研究者の雇用、研究人材の多様性
その他 その他