【ニュース・イギリス】2017~2018学事年度の高等教育機関の授業料を公表

2016年9月6日、公正機会局(Office for Fair Access: OFFA)(高等教育への公平なアクセスを保護・促進する役割を担う非政府公的機関)は、英国の高等教育機関198校の2017~18学事年度における“アクセス協定(Access Agreement)”を公表した。

 

2017~18年度は高等教育機関全体で£8億3,350万(対前年度10%増)が投資される予定であり、その多くは授業料を£9,250に値上げすることによる収入である。アクセス協定の協議過程で、OFFAは授業料値上げ分と同じ割合で投資がなされるべきだとの考えを示した。

 

OFFAの理事長のLes Ebdon教授は“政府は我々に高い目標を掲げてきた。大学や継続カレッジがその目標に向かってチャレンジしていくことをうれしく思う。これらの協定は恵まれない学生の高等教育への進学機会を拡大するための投資が増えることを意味している。今回承認した協定の半分以上は、協議の過程で修正されたもので、OFFAは94機関に目標の改善を求め、37機関に投資の増額を、24機関には改めて投資を求めた。”と述べた。

 

£8億3,350万の投資内訳:

  • 入学前の学生向けのアウトリーチ活動(高等教育の紹介等) £1億7,110万(前年£1億4,950万)
  • 恵まれない環境の学生が最大限に力を発揮できるようにするための支援(心のケアや学習トレーニング等) £1億8,570万(前年£1億4,840万)
  • 恵まれない環境の学生の就職及び大学院進学支援活動(メンター、インターンシップ経費支援等) £6,800万(前年£5,470万)
  • 財政支援(奨学金、授業料免除、入寮割引等) £4億870万(前年£3億9,900万)

 

Access Agreement:授業料の値上がりが実施された2012~13学事年度より、法定授業料を超える授業料を課する高等教育機関は、貧困等社会的に不利な背景を持つ若者の高等教育への参加機会を阻害することのないよう、授業料、奨学金をはじめとする参加機会拡大のための取組、予算計画等を記載したアクセス協定について、OFFAの承認を得ることが義務づけられている。

 

OFFA:2017-18 access agreements: tough negotiation yields increased commitment

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
学生の経済的支援 学費
人材育成 学生の多様性