2016年3月9日、イングランド高等教育財政会議(HEFCE: Higher Education Funding Council for England)は2016～17学事年度の高等教育機関に対する￡37億の配分を決定した。
これは、ビジネス・イノベーション・技能省（BIS; Department for Business, Innovation and Skills）がHEFCEに示したグラントレター※に沿ったものであり、高等教育に重点を置く政府の意向を反映している。
主要事項は以下のとおり。
・継続研究に対する助成は、前年度と比べ￡2,000万の増、一方で知識交換のための助成は同額を維持。教育に対する助成は全体で￡2,100万の減であるが、そのうち、費用はかかるが、経済成長の鍵となる科学、テクノロジー、工学、数学の分野は昨年と同額を維持。
・英国では、高等教育機関への進学率に地域差があるため、政府はこれを是正すべく、地域支援のための助成プログラム(National Collaborative Outreach Programme等)を新設した。この助成は2016～17学事年度からで初年度は￡3,000万、2017～18学事年度からは￡6,000万に増額予定。これは、首相が掲げている恵まれない環境にいる学生の高等教育機関への進学率を2020年までに2009年比で倍増させる（黒人、少数民族の学生の進学率20％増を含む）という政策目標達成に向けたものである。
・障害のある学生をより広く受け入れるための施設の改善のための助成を￡4000万に倍増。この増額により、学生の心の病の急増に対応する各機関への助成も可能となる。
Higher Education Funding Council for England：Funding of £3.7 billion for higher education in 2016-17
