【ニュース・イギリス】高等教育界の将来的な財政面の課題

2015年3月27日、イングランド高等教育財政会議(HEFCE)はイングランド高等教育機関の財政状況について発表した。同報告書によれば、全体的に、2013学事年度(以下「年度」)の財政状況は概ね良好と言える。
しかしながら、各機関によって状況は著しく異なる。多くの機関にとって設備投資に伴う借入額が増大する傾向にあり、累積した剰余金および政府の継続支援がなければ、学生満足度の低下や学生数増加に伴う設備不足などが生じて国際競争から脱落する可能性も存する。
報告書によれば、£9.92億(収入の3.9%)の剰余金は、2012年度と同程度で安定している。2013年度設備投資額は£32.5億で前年度比23%もの増額となっている。これだけの投資を賄うために、手元資金から£15.5億、更に追加で£5億の借入が必要とされた。
過去3年で推定£11億の貯えが生じるという高等教育界の財政効率性も報告されてはいるものの、年金負担の増大や競争激化のもとでこの効率性をいかにして持続させるかが鍵となる。
現在は全体的には安定しているといえる高等教育界の財政状況であるが、今後、剰余金減少、キャッシュフローの低下、借入の増大などが予想されているため、長期的には懸念される。

URL1: http://www.hefce.ac.uk/news/newsarchive/2015/Name,103631,en.html

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政