【ニュース・イギリス】英国大学協会国際部が 3年間の“Go International:Stand out” キャンペーンを立ち上げ

2017年11月2日、英国大学協会国際部(UUKi:Universities UK International)は、2週間以上海外で学び、働き、若しくはボランティア活動に従事する学生数の増加を目指す、3年間の“Go International:Stand out”キャンペーンを立ち上げた。
現在海外に出ていく学生はほんの6.6%に過ず、2017年4月よりUUKiは政府の目標である「海外に出て行く学生の割合を2020年までに現在の2倍以上の13%にする」という目標をサポートするための活動を開始した。

 

海外での経験が無い学生に比べ、海外経験のある学生の方が成績は良く、就職率も高いという調査結果が出ており、この効果は特に社会的に不利な立場にある学生に顕著に現れている。彼らの卒業後の平均収入は、海外の経験が無い学生に比べ6.1%以上多い。特に黒人については、海外経験者の無就業率は海外経験の無い者に比べ41%少なくなっている。

 

海外での経験を通して得られることが期待されるスキルが、現時点では学生に十分に備わっていない。2017年に英国産業連盟(CBI:Confederation of British Industry)とPearson(教育出版社)の共同調査によると、事業主の39%が大学卒業生は国際的な感覚を十分に身に付けていないと考えており、47%は外国語力が十分でないと考えていることが明らかになった。また、英国学士院(British Academy)の調査によると、中小企業の10社のうち7社は、将来社長になる者は外国語が話せ、また海外経験があるべきである、と考えていることがわかった。

 

米国では15%、オーストラリアでは19%、ドイツでは25%の学生が海外留学の経験があり、英国は非常に立ち遅れている。しかもこれらの国々は更に学生の流動性を高めることを目指しており、例えばドイツは2020年までに学生の半分が海外での経験を積むことを目標としている。

 

Go International:Stand outキャンペーンでは、以下の活動を通して国家戦略をサポートしていく。

  • 各大学長にキャンペーンへの参加を促し、海外に出て行く学生数を増やすための活動に取り組んでもらう。
  • 各大学が学生の流動性を高めることに役立つリソースを開発する。
  • アカデミックや同窓会なども含めた海外留学に関するネットワークを構築する。
  • 海外留学に関する調査を実施しその効果をデータ上で示す。
  • 政府や海外機関と共に学生の海外留学の推進を支援する。

このキャンペーンは英国政府その他関係団体から公認されているもので、すでに54大学がキャンペーン参加の意思を示している。

 

Universities UK:UUKi calls for students to Go International:Stand Out

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