2016年3月1日、英国高等教育国際機構(IU: UK Higher Education International Unit)とデジタル・サイエンス(科学研究共同体のために研究室の設備や研究環境を提供しているテクノロジー企業で、研究効率化のためのソフトウェア開発、企業の育成・投資も行っている)は、英国大学とEUをはじめとした国際的学術研究や研究評価、経済への影響に焦点を当てた共同報告書『英国大学、国際協力そして研究評価』を発表した。報告書によると、英国大学の国際共同研究は過去30年で全研究の10%から半数以上へと急速に拡大している。
報告書の主なポイントは下記のとおり。
・知的水準は国際的に活動しないことで停滞する。国際的知識ネットワークの出現により、英国大学が競争力を維持するためには国際的連携を深める戦略を確立する必要がある。
・研究評価のランク付けは適切な比較を与えないであろう。近年では国際共同研究は当たり前になってきており、最多被引用論文のほとんどはそこから生まれるので、特定の国や大学がどれだけ貢献したかを算出することはできない。
・知的財産を所有することはそれらを用いる正しい技術を持つことほど重要ではない。競争者に先んじて知識を発見したという功績はもちろん重要であるが、研究が共有されるなら、研究の中身と知的財産も共有されるべきである。大学の研究基盤が整備されていることは、ヨーロッパの競争的経済が要求する技術を有した知的に卓越した人々を育成するために理想的な環境を提供する。
International Unit:Benefits and implications of EU and global collaboration by UK universities