【ニュース・イギリス】英国の大学志願者4%減少:大学入試機関(UCAS)発表

2017年7月12日、大学入試機関(UCAS:Universities and College Admission Service)が6月30日締切の大学志願者数を発表した。英国大学への志願者総数は649,700人で、昨年に比べて4%(約25,000人)減少した。

 

英国出身者の志願者数は529,620人(昨年比:4%減少)、EUからの志願者数は49,250人(5%減)非EU圏からの志願者数は70,830人(2%増)であった。

 

英国各地域別の出身者の数も減少:イングランド437,860人(5%減)、スコットランド48,940人(1%減)、ウェールズ22,530人(5%減)、北アイルランド20,290人(4%減)

 

年齢別志願者数の変化:18歳の志願者は321,950人で昨年より1,510人増加。イングランドの18歳の大学進学率は37.9%(2016年37.2%)と上昇しており、過去最高を記録。ウェールズは32.9%から32.5%に減少。19歳以上の志願者は315,200人で昨年より27,180人減少。

 

看護学コース志願数:全体で53,010人であり、昨年より19%減少した。

 

UCASの分析研究部長Mark Corver氏は「主要な大学の出願期限は終了し、昨年より25,000人、4%の減少であった。2つの対照的な傾向があるようである。主な出願者数の減少はイングランド、ウェールズ、EUであり、非EU圏からの出願は2%増であった。英国内では18歳より上の年齢層の出願者数は減少したが、18歳は上昇し、人口比過去最高の出願割合37.9%を記録した。最終的に大学やカレッジにおける年齢構成比等がわかるのは様々なプロセス(Aレベルの結果等)を経て、入学先大学が決定する6週間後である。」と述べた。

 

UCAS:UCAS 30 June deadline for UK higher education shows UK applicants down 4% and EU applicants down 5%

 

【各機関の反応】

 

○英国大学協会(UUK:Universities UK)/Dame Julia Goodfellow理事長
志願者減少の原因はいくつか考えられる。昨年、志願者数は記録的であった。EU離脱や、看護士、助産師など医療従事者の学位制度の改定が大きな原因であろう。英国の18~19歳の人口が2010年から減少傾向であるが、この年齢層が英国大学の志願者の半分以上を占めている。しかもこのグループの大学志願率は過去最高であった。
対処しなければならない問題がいくつかある。EUからの学生に対して英国は彼らを歓迎していることを示し、パートタイムや成人学生数の減少に対しても何らかの措置を講じなくてはならない。また、大学に進学することでかかるコストにも懸念があり、生活費や学生ローンの利率に関しても分析が必要である。

 

Universities UK:Response to latest UCAS applicant figures

 

○ラッセルグループ(Russell Group)/政策担当部長Sarah Stevens氏 [2017年7月13日付]
EUからの志願者が5%減少したが、もし減少の原因がEU離脱であればこれは問題である。非EU圏からの志願者数がわずかながら増えたことは喜ばしいことである。留学生は社会的文化的な多様性をキャンパスにもたらし、これらは学生によい影響を与える。また、英国経済にも£258億の効果をもたらしている。
イングランドの18歳の志願者数は記録的であった。これは大学の価値を見出している若者が増えていることを示している。

 

Russell Group:UCAS application figures

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