【ニュース・イギリス】秋期財政報告書「Autumn Statement」を発表

2014年12月3日、ジョージ・オズボーン財務大臣が、秋期財政報告書(※1)を発表した。高等教育、学術研究関連事項は以下の通りである。

・大学院生向けローン制度を新設
2016学事年度より、£1万を上限とし、大学院生向けの学生ローンを始動させる予定である。全分野対象だが、応募には年齢制限があり、29歳以下に限られる。学部学生向けローンと同じく、卒業後の給料額に応じた返済を求める。HEFCEが£5,000万を各高等教育機関に配分し、約1万人の大学院生を支援する予定。

・£59億の持続的な科学予算
世界一の科学研究国という現状を維持するため、£59億を科学予算として割り当てる。これには欧州火星探索計画で主導権を得るための予算£9,500万も含まれている。
また、本予算は£2億3,500万がマンチェスター大学に新設される先端材料に関する科学研究センター(Sir Henry Royce Institute)とリーズ、リバプール、シェフィールド各大学に併せて新設される関連センターに配分され、ニューカッスルのエイジング研究センターへ£2,000万助成されるなど、イングランド北部研究助成強化を図るための施策が盛り込まれている。(※2)

※1 予算案と並んで年1回政府が発表する最重要財政報告書。政府の収支・借入が当初の予測と比較してどうなっているのかを最新のデータで測定し、必要に応じて政府が当初の経済目標を達成するために今後の予算案を変更・修正するもの。
なお、概要は下記の「URL2」から、全報告書は「URL3」から閲覧可能。

※2 今年の7月に、オズボーン財務相のイングランド南部への研究予算配分偏重政策にリーズ大学長や元HEFCE理事長らが懸念を示していた。

URL1: http://www.timeshighereducation.co.uk/news/crick-institute-remark-betrays-southern-bias-fears-v-c/2014278.article
URL2: https://www.gov.uk/government/news/autumn-statement-2014-16-things-you-should-know
URL3: https://www.gov.uk/government/topical-events/autumn-statement-2014

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価