2017年3月6日、英国大学協会(UUK:Universities UK)は留学生がもたらす英国経済への影響に関する新たな調査結果を発表した。(数字は2014~15学事年度実績)
- 留学生が英国大学に納めた授業料は総額£48億で、大学の総収入の14%にあたる。そのうち88%に当たる£42億は非EU圏の留学生による。
- グッズやサービスなど£54億をキャンパス外で支出。
- 留学生の支出が、英国全体で206,600人の雇用をサポート。
- 留学生の訪問者による英国内での支出はホテルや観光業などに推定£5億2,000万、さらに、波及効果として推定£10億の支出がある。
- 留学生によるキャンパス内外の支出及び彼らの訪問者による支出を合わせ、£258億。
- 英国輸出にも£108億の貢献。
- 留学生によりもたらされる経済活動や雇用による税収£10億。これは看護士31,700人、警察官25,000人の給与に匹敵する。
英国は現在米国に次ぎ2番目に留学生が多い国である。2014~2015学事年度は437,000人の留学生(EU圏、非EU圏含む)が英国の大学で学び、これは英国の大学生総数の19%を占めている。
UUK会長でケント大学学長である Dame Julia Goodfellow 氏は“今回の結果で留学生がいかに英国経済に貢献しているかが浮き彫りになった。
調査では経済影響に焦点を当てたが、留学生がいることでキャンパスや英国人学生の大学生活が文化的、学術的に豊かになっていることも忘れてはいけない。また、留学生の多くはここでキャリア的、個人な強い絆を築き、帰国後も長期にわたり、ソフトパワーによる恩恵を英国にもたらしている。
我々の世界トップの高等教育は、英国の成功例の一つである。まだ潜在的に成長できる分野であり、優れた留学生を受け入れ、さらなる成功を築くためにも、ビザと移民規制のバランスをうまく取る必要がある。それは、EU離脱後に世界の中で英国の地位を高めるためにもより一層重要なことである。”と述べた。
Universities UK:International students now worth £25 billion to UK economy-new research
【関係機関の反応】
○ラッセルグループ(Russell Group)
調査結果は留学生が英国経済に多くの収入をもたらしていることを示した。また、留学生は学内で多様な学生構成をもたらすのみならず、より広く英国の社会、文化の繁栄に貢献している。
しかしながら、留学生獲得市場では競争が激しく、英国が先行き不透明になっている間に、他の国がすでに有利になっている。大学がEU離脱後の英国の繁栄や経済の安定において重要な役割を果たしていくためには、世界各国から引き続き優秀な学生、研究者、その他の専門家をひきつけ続けられねばならない。そのためには、ビザの規制を最小限にし、ビジネスにオープンであることが不可欠である。
Russell Group:UUK international students report