2016年8月17日、イングランド高等教育財政会議は2014年度の産学社会連携活動調査“2014/2015 Higher Education – Business and Community Interaction Survey(HE-BCI)”の結果を発表した。それによると、大学とその企業パートナー間との知識交換※による経済効果は£42億で、前年度比6%増(2013~2014学事年度は£39億)、共同研究、研究施設・設備の利用、経済再生はいずれも約10%増加した。知識交換に関する投資額は、大企業では£7億6,900万から£8億1,900万になり、現金ベースで6.6%の伸び、中小企業では£2億100万から£2億1,700万になり、7.8%の伸びを示した。
大学の知的財産関連の企業は生存率や雇用、売上高において改善を示し、また、卒業者による起業や社会事業の数も増えた。
英国において研究成果を商品化したときの利益率は米国や日本と比べて高く、産業界からの研究費収入の割合は米国と同レベルであった。
Jo Johnson大学・科学大臣は、“調査結果が示すとおり、世界のトップを行く英国の大学は成果の発見のみならず、経済成長を強く後押ししている。イノベーションUK、英国研究会議などの複数の助成機関が一つの機関、UKリサーチ・イノベーション(UKRI: UK Research and Innovation)になることで、この関係はさらに強まるであろう。”と語った。
※ | 大学はこれまでに培った知識や専門家の意見などを企業等に提供することで、それらがより競争力のある、革新的、生産的な組織になる支援をしている。“知識交換”とは、大学と企業、公共サービス、慈善事業や地域コミュニティなどが相互に影響しあうことによって社会的・経済的利益を生み出すことを指しており、共同研究やプロジェクト開発、コンサルタントやトレーニング、企業の新設なども含む。 なお、知識交換に係るイングランド高等教育財政会議の助成金は、教育・研究のための助成金とは別に、高等教育イノベーション基金(HEIF: Higher Education Innovation Fund)を通じて助成される。 |
HEFCE:UK Universities focus on delivery and spur economic growth
○調査結果
HEFCE:Higher Education – Business and Community Interaction survey 2014-2015