【ニュース・イギリス】外国語学科閉鎖の危機

2016年8月19日、高等教育専門雑誌Times Higher Educationは、外国語学部への志願学生の減少が継続することで学部の閉鎖に追い込まれる大学が出てくると報じた。

 

大学入試機関(UCAS: The Universities and Colleges Admissions Service)のデータが示すように、Aレベル結果発表日において、英国の高等教育機関のヨーロッパ言語・文学のコースに入学が認められた者は、前年比7.8%減の3,080人で、近年では最低の数字であった。また非ヨーロッパ言語・文学のコースにおいても、940人のみであった。

 

問題は、入学要件となるAレベルの語学を選択する生徒の数が減少していることである。

 

Ulster University は昨年現代言語の学部の閉鎖を発表し、一方でNorthumbria UniversityとUniversity of Salford は大幅な学部の縮小に踏み切っている。

 

Newcastle Universityの上級講師であるRene Koglbauer氏は“このままの状態が続けば多くの大学で言語学部は閉鎖に追い込まれ、学位を取得できる大学が減るであろう。”と述べた。 

 

語学コースを有するカレッジ等に対する助成金不足に加え、大学の言語学部は、これまで10年以上にわたりイングランド高等教育財政会議から£1,050万のアウトリーチのための助成金を受けていたが、助成期間が終了し、将来が見えない状態である。

 

さらに、現代ヨーロッパ言語の分野では、研究者の46.6%がヨーロッパ大陸から来ており、英国のEU離脱に続く移民ルールの改正などの危機に晒されている。

 

Times Higher Education:University language departments ‘at risk’ as recruitment slumps

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