2017年5月24日、BBCによると、University of Birminghamはアラブ首長国連邦のドバイにキャンパスを開校することを発表した。同大学、学長のDavid Eastwood卿は、ドバイキャンパスは同大学の“グローバルな任務”を果たすであろう、と述べた。
アラブ首長国連邦の新しいキャンパスはこの秋に開校するが、本格的な大学、大学院の授業は2018年秋から行なわれる予定である。
University of Birminghamのキャンパスは10年前にキャンパス用に建設されたドバイ・インターナショナル・アカデミー・シティに開校予定で、そこではすでに9カ国から26大学が存在しており、25,000人の学生が学んでいる。
同キャンパスの学生はドバイを離れることなく、授業を英語で学びUniversity of Birminghamの学位を取得可能となる。ドバイではすでに英国から他にExeter, Bradford, London Business School, Heriot-Wattの各大学がキャンパスを開校しており、他にオーストラリア、米国、アイルランド、インド、ロシアからの大学もあり、ドバイからあまり離れていないアブダビにはフランスのSorbonne, 米国のNew York Universityがあり、カタールには英国のUCL(University College London)、最近開校したAberdeenと米国のCarnegie Mellon Universityがある。
大規模なオンラインオープンコース(Moocs:massive online open courses)の出現で留学生は、地元のキャンパスに通うよりもオンラインで授業を受ける方を選ぶのではないかと言われていた。しかし大学はそのブランドを持って海外への拡大を続けている。
米国、State University of New Yorkの調査によると、現在、全世界で240以上の海外キャンパスが存在している。現在、新たに20キャンパスが開校予定であるが、これまですべてが成功しているわけでなく、すでに40キャンパスが閉鎖されている。米国、英国、フランスが海外キャンパスの半分以上の割合を占めている。
ホスト国としては、特に中国、ペルシア湾岸諸国、マレーシアやシンガポールなどが最も収益性があり拡大している市場とされ、これらの国に海外キャンパスが集中している。
海外キャンパスは欧米の大学にとっては市場拡大を可能にし、学生にとっては海外留学にかかる高額な経費やビザ問題を気にせずに、欧米の一流大学からの学位を取得することができる。英国の大学にとっては、イギリス国内での学生獲得の熾烈な競争と資金的な不確実性に直面しており、海外キャンパスは新たな授業料獲得源となる。
Nottingham, Liverpool, Southampton, Newcastle, Bolton, Middlesex, Reading等の大学もすでに海外にキャンパスがある。
このような国際化はヨーロッパ内での競争も激化させてきており、留学生獲得のため英語で教えるコースはヨーロッパでも増えている。フランスの大学は英国を含む留学生に対して、英語で教えるコースに力を注いでいる。
英語圏の国々では留学生市場の傾向は変動している。米国や英国は常に留学生獲得においてトップであったが、今月カナダの大学は留学生の出願数が“前例にない”ほどの上昇だと発表している。カナダの健闘ぶりは米国とヨーロッパの“孤立主義”が台頭してきていいることが原因とされている。