【ニュース・イギリス】イングランド高等教育財政会議(HEFCE)報告書で英高等教育における変化が明らかに

2014年4月10日、イングランド高等教育財政会議(HEFCE)は報告書‘Higher education in England 2014: Analysis of latest shifts and trends’(URL2)で学生、課程、高等教育機関に影響を及ぼす高等教育界の変化と動向について指摘した。主なポイントは以下の通り。

・2013学事年度(以下「年度」)は、フルタイムの学部生入学者数に顕著な回復が見られ、2012年度と比較して8%(2万7000人)の増加となった。

・しかしながら、フルタイム学部生の外国語コースへの入学者数は、2010年度から2012年度にかけて22%(1200人)減少しており(UCAS調べ)この減少傾向は2013年度も続いている。

・統一試験「Aレベル」で好成績を収めた学生は、「Aレベル」の受験科目と関係のない科目を大学で履修する傾向にあり、それほど好成績でなかった学生の中で、‘Facilitating subjects’ ※1を受験した者は、それらの科目を大学でも履修する傾向にある。

・通常の学位以外の資格※2取得課程の学部生の数は、2012年度入学者数にして60%の減少と、非常に落ち込んでいる。

・パートタイム学部生の入学者数は、2010年度から2012年度にかけて9万3000人減少。この中でも、通常の学位以外の資格取得用課程への入学者数は、91%もの減少。

・パートタイム大学院生は、2010年度と比較すると2012年度は2万3000人少なかった。このうち、84%にあたる1万8600人は教育ならびに教育関連科目履修者であった。

・2010年から2011年にかけてパートタイムでの入学者数は、OECD国(データ入手可能国)平均においても減少しているが、このパートタイム教育の変化については、経済や、その国の方針といった要素の様々な混在と関連があると分析。

本報告書は、性別、年齢別、人種別による違いや、学部・大学院生全体の動向、社会的に不利な背景を持つ学生とそうでない学生の入学状況の違いについて調べており、また、産業部門との情報・事業交換、財政状況についても述べている。

※1 数学、英文学、物理、生物、化学、地理、歴史そして古典及び現代語学の科目群を指す。
※2 foundation degrees(学術部門と職業経験を合わせた学位)、certificates of higher education(高等教育機関でフルタイム1年、パートタイムで2年、もしくはそれに準じた形で学んだときに与えられる証明書)など。

URL1: http://www.hefce.ac.uk/news/newsarchive/2014/news87004.html
URL2: http://www.hefce.ac.uk/media/hefce/content/heinengland/2014report/HEinEngland_2014.pdf
URL3: http://www.theguardian.com/higher-education-network/blog/2014/apr/11/part-time-student-plummet

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集、学生の多様性
統計、データ 統計・データ