【ニュース・イギリス】イングランドの学士課程入学の傾向

2014年8月7日、英国大学協会(UUK:Universities UK)は学士課程入学者数についての報告書を発表した。報告書は、学費値上げや高等教育における公的助成金の削減、また不況期など様々な変動のあった時期についての統計結果である。主なポイントは以下の通り。

・2010学事年度(以下「年度」)から2013年度にかけて、英国及びEU圏の学士課程入学者は21.7%減少した。これは主に、この2年にかけてフルタイム学生が4%減少したのに対して、パートタイム学生数が47.8%も減少したという事実に起因する。

・2012年度に学費の値上げが行われたものの、2010年度から2013年度にかけてフルタイムでの入学者数は3.2%上昇しており、かつ2013年度の入学者数は過去最高レベルとなった。社会的に不利な背景や障害を持つなど少数派の学生集団への大きな影響は見られなかった。

・英国における18歳から20歳の若年層人口の減少(2012年から2021年にかけて12.3%減となるだろうと予測されている)は国家資格レベル3※に関する方針変更につながっている。また、EU圏学生の需要の緩やかな回復は各高等教育機関が学生獲得対策に努めたひとつの成果であるとみなされている。

※ 大学入学資格。統一試験「Aレベル」受験はそのうちの一つ。

・STEM(科学・技術・エンジニア・数学)科目志望の学生は増加傾向にある。

・高等教育機関以外で学士課程を提供する代替機関ならびに継続教育カレッジを選択する学生が増えており、学生ローン会社の調べによると、2010年度から2012年度にかけての学生ローン申し込み学生数に関して、代替機関では259%増加という驚異的な伸び率、継続教育カレッジも35%の増加となっている。

なお、OFFA(Office for Fair Access)の反応は、以下「URL2」のとおり。

URL1: http://www.universitiesuk.ac.uk/highereducation/Pages/UndergraduateTrendsReport.aspx#.U-s5tGd0wdV
URL2: http://www.offa.org.uk/press-releases/universities-uk-report-shows-worrying-decline-in-part-time-study/

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
統計、データ 統計・データ