【ニュース・アメリカ】OSTP、異なる生態系を超えた微生物叢の統合研究を促進する新たなイニシアティブを立ち上げ

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)は5月13日、連邦省庁及び民間セクターのステークホルダーと協力し、異なる生態系を超えた微生物叢の統合研究を促進するため、新たに「米国微生物叢イニシアティブ(National Microbiome Initiative:NMI)」を立ち上げ、NMI促進のために不可欠なステークホルダーが一堂に会するイベントを開催することを発表した。

 

微生物叢は微生物コミュニティで、人間・植物・土壌・海洋などに生息し、様々な生態系の健全な機能を維持すると共に、人間の健康・気候変動・食費安全保障などの要因に影響を与える。

 

NMIは、微生物叢の行動に関する理解を深め、健全な微生物叢機能の保護・回復を可能とすることを目指し、①学際的研究の支援、②プラットフォーム技術の開発、③微生物叢研究に携わる人材の拡大、の3点を微生物叢科学の重点分野として提案している。

 

NMIは、継続的に行われている微生物叢研究に対する連邦投資を基盤とするもので、2016年度及び2017年度予算で合計1億2,100万ドルが生態系を超えた微生物叢研究のために割り当てられる予定である。

 

具体的な予算要求内容は以下の通り。

 

•エネルギー省(Department of Energy)が、学際的共同研究支援のために2017年度予算で1,000万ドルを要求。
•米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:NASA)が、地球上の生態系及び宇宙における微生物叢研究拡大のために複数年に亘って1,250万ドルを要求。
•国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)が、2016年度及び2017年度に微生物叢研究への助成としてさらに2,000万ドルを投資。
•米国科学財団(National Science Foundation:NSF)が、微生物叢研究のために2017年度予算で1,600万ドルを要求。
•農務省(Department of Agriculture:USDA)が、農業研究サービス(Agricultural Research Service)を通して実施する微生物叢研究とヒト微生物叢研究に使用するコンピュータ機能拡大のために2017年度予算で約1,590万ドルと、米国食品農業研究所(National Institute of Food and Agriculture)を通して実施する食品製造システムに影響を与える植物・家畜動物・魚類・土壌・大気・水に生息する微生物叢研究支援のために2017年度予算で約800万ドルを要求。

 

Inside Higher ED:Postdoc Now, Think Later

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