【ニュース・アメリカ】NSF International Budget Briefing 概要

2017年6月19日午後2時~3時、米国科学財団(National Science Foundation:NSF)の国際科学工学局(Office of International Science and Engineering:OISE)にて、NSFのOISEによる2018年度国際関係事業予算案に関する概要説明会が行われた。

 

OISEの所長であるレベッカ・カイザー氏からOISEの今後の予算についての説明が行われた。
概要は以下の通り。

 

≪アメリカの予算編成プロセスについて≫

  • アメリカでは、予算期が10月から翌年9月のため、毎年2月に大統領予算案が発表され、そこから予算プロセスが始まるが、今年は大統領選の影響により予定が遅れている。
  • 予算(防衛費を除く)には歳出限度が定められている。
  • 予算には社会保障費等の義務的経費と裁量経費があり、NSFの予算はすべて裁量経費に属する。
  • NSFは独立組織であり管轄する省庁がないため、予算プロセスにおいてはNSF長官と大統領間の直接のやり取りとなる。

≪NSFの予算と事業について≫

  • 2017年度のNSF予算は74億7,200万ドルで、2016年度に比して0.1パーセント増のほぼ同額予算である。
  • 2018年度は66億5,300万ドルを要求しており、2016年度に比して11.2%減となる。
  • 2018年度予算においては、特に、2016年に開始した10項目の科学技術に関する未研究分野等に対する長期的支援(Big Ideas)を継続する。

≪OISEの予算及び事業について≫

  • OISEの2018年度予算要求額は4,402万ドルで、2016年度に比して10.3%の減額となる。
  • この予算案において、OISEは以下の3点にフォーカスして活動する。
    -米国における世界に通用する人材育成の推進
    -NSF及び外国の資源を利用するための国際連携の推進及び援助
    -米国が科学及び工学に関する世界的課題においてリーダーシップをとることができる機会の提供
  • 事業としては、核となる3つの事業(PIRE, IRES, AccelNet)に重点的に予算を割くこととしており、予算の削減分については新たなグラントが削減されると考えてよい。
  • AccelNetとの関係で、現在NSFで公募し、各国に推薦を行っているEAPSI(外国人特別研究員サマープログラム)はいったん来年度の公募を取りやめ、AccelNetの事業に含めるような方向性(NSFにおいて独自公募せず、各機関が選定する)で検討中。
地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価
研究支援 研究助成・ファンディング