国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）は、プレシジョン・メディシン・イニシアティブ（Precision Medicine Initiative：PMI）の下でのコホート・プログラム（Cohort Program）に対する一般の反響に関する調査結果「遺伝子及び環境に関する全米プレシジョン・メディシン・イニシアティブ・コホート研究実施に対する米国成人の意識調査（A Survey of U.S Adults’ Opinions about Conduct of a Nationwide Precision Medicine Initiative® Cohort Study of Genes and Environment）」を発表した。これによると、無作為で抽出された回答者2,601人の大半が、全米規模での研究への参加に意欲を見せていることが明らかになった。具体的には、全体の79％がプログラムに支持を表明した他、54％は依頼された場合「間違いなく」もしくは「おそらく」研究に参加すると回答している。これらの高い支持の割合は人種・民族グループに関わらず全体に見られ、それ以外の人口統計学的分類でも同様の結果が得られた。それ以外の主要な調査結果は以下の通り。
- 回答者は、様々な個人データを共有することに関して高い意欲を表明。具体的には、血液サンプル（73％）、遺伝子情報（76％）、家族の既往歴（77％）、自宅からの土壌・水サンプル（83％）、ライフスタイル・食事・運動（84％）など。その一方で、ソーシャルメディアに関する情報を共有すると回答したのは43％のみ。
- 研究への参加に対するインセンティブとして、全体の90％が健康状態に関する情報が重要と回答。具体的には、検査結果（コレステロール値・血糖値など、75％）、遺伝子情報（75％）、医療記録のコピー（68％）、自分の健康に関連する他の研究に関する情報（60％）など。
- 全体の76％が「研究参加者と研究者は、研究において同等のパートナーであるべき」と回答。特に、「どのような研究が適切か」「研究結果の取り扱い」「研究のどの疑問点に回答すべきか」などの決定において、研究参加者の声も反映されることが重要と回答。
なお、本報告書は以下より閲覧可能。
PLOS ONE：A Survey of U.S Adults’ Opinions about Conduct of a Nationwide Precision Medicine Initiative® Cohort Study of Genes and Environment
National Institutes of Health：Survey shows broad support for national precision medicine study
