【ニュース・アメリカ】NIAID、蚊を媒体とする感染症に対する広範な保護を目的とした治験ワクチンの臨床試験を開始

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases:NIAID)は、ジカ、マラリヤ、ウエストナイル熱、デング熱などといった、蚊を媒体とする感染症に対する広範な保護を提供し、蚊によるこれらの疾病の感染力を妨害することを目的とした治験ワクチン「AGS-v」の試験を行うために「フェーズ1」臨床試験を開始した。本研究は、NIH臨床センター(NIH Clinical Center、メリーランド州)において実施され、治験ワクチンの安全性及び免疫反応の生成能力を検証することになる。「AGS-v」は、蚊が媒体となって運搬される特定のウィルスや寄生虫ではなく、蚊の唾液によって免疫反応を引き起こすように考案され、試験用ワクチンには、蚊の唾液腺から抽出された4種類の合成たんぱく質が含まれている。同臨床試験への参加者は、18~50歳の健康な成人最高60人で、①「AGS-v」ワクチンを21日間隔で2回接種するグループ、②「AGS-v」ワクチンと補助薬を混合したものを21日間隔で2回接種するグループ、③滅菌水のプラセボを21日間隔で2回接種するグループ、の3つのグループに無作為に分類され、いずれのグループに分類された参加者も、1回目と2回目の接種の間に2回と、2回目の接種の後に2回、身体検査と血液採取を行うことになる。なお、本試験は、2018年夏に完了する予定である。

 

2017年2月21日

 

National Institutes of Health:NIH begins study of vaccine to protect against mosquito-borne diseases

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究