【ニュース・アメリカ】NAE、工学技術教育の認知度の低さを指摘

米国工学アカデミー(National Academy of Engineering:NAE)は、工学技術(engineering technology:ET)教育に関する報告書「米国における工学技術教育(Engineering Technology Education in the United States)」を発表した。本報告書は、米国の技術インフラ及びイノベーション能力の支援において、ET分野は重要な役割を果たしているが、教育及び就職分野においてはその認識度が低いことを指摘している。従来の工学とETの間では多くの類似点があるが、従来のエンジニアが米国の技術システムの設計を行うのに対し、ET技術者はその構築及びシステム運用の役割を担うという違いがある。また、学位取得者数では、2014年の工学学位取得者数は約9万4,000人であるのに対し、ET関連学士号取得者数は約1万8,000人、同準学士号取得者数は約3万4,000人で、従来の工学学位取得者数を大きく下回っていることが明らかにされた。その一方で、2013年にET分野で働く従業員約40万人のうち、約80%は工学技術者として勤務していることが明らかになった。さらには、工学技術者を雇用する企業約250社のうち、30%はET教育について聞いたことがなく、3分の1はエンジニアと工学技術者との違いを認識していないことが明らかにされている。同報告書を作成した委員会は、ET教育コミュニティに対し、ET分野の価値をより明確にし、幼稚園から高校3年(K-12)の教員・学生・親・雇用主に提示する手段を考案すべきと提案している他、ET学位取得と就職との繋がりが弱い原因に対する理解を深めるための研究が必要であると提言している。

 

なお、本報告書は、
National Academies Press:Engineering Technology Education IN THE UNITED STATES

 
National Academy of Engineering:New Report Examines Role of Engineering Technology, Calls for Increased Awareness of Field of Study and Employment

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究
人材育成 学生の就職
統計、データ 統計・データ