【ニュース・アメリカ】GAO、教育省による自由裁量助成モニタリングに対する監督改善の必要性を指摘

政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は2017年5月18日、教育省による自由裁量助成の監視に対する監督状況を検証した報告書「自由裁量助成~教育省は助成モニタリングに対する監督の改善が必要~(Discretionary Grants:Education Needs to Improve Its Oversight of Grants Monitoring)」を発表した。

 

教育省は、2015年度には約80件の自由裁量助成プログラムの下で40億ドル超の助成を約7,000組に支給しているが、本報告書は、①教育省が自由裁量助成モニタリング方針を常に適用させているか、②自由裁量助成受給者の実績を認識して教育省全体で情報を共有しているか、の2点を検証している。GAOは、教育省の主要部署7つのうち、2015年度に自由裁量助成の80%超を拠出した高等教育局(Office of Postsecondary Education)、初等中等教育局(Office of Elementary and Secondary Education)、及び、イノベーション・改善局(Office of Innovation and Improvement)の3部署を調査した他、無作為に選択した公式助成ファイル75件を検証し、連邦政府及び教育省における助成政策及び手続きを分析した。その結果、①に関しては、モニタリング活動において義務付けられている公式助成ファイルへの記録が一貫して行われている訳ではなく、自由裁量助成の約2,100万ドルに関し、助成受給者の実績が適切に記録されておらず、75件のファイルのうち69件に不備があることが明らかにされた。また、調査が行われた3部署では、連邦政府の内部管理基準である公式助成ファイルのモニタリング評価手順に関する詳細が文書化されていないことが明らかになった。さらに②に関しては、教育省は、助成管理システムの助成支給後モニタリング(Post-Award Monitoring:PAM)モジュール内に、助成受給者の実績共有機能を開発するために約70万ドルを拠出しているが、教育省全体で有効に使用するための指針が策定されていないことが明らかにされた。その他、助成受給者の実績に関する情報浸透のために職員がPAMモジュールを使用することはほとんどなく、PAMモジュールに関する職員研修を提供しているとはいえ、助成受給者の実績に関連する機能の使用を明確にするための指針は策定されていないことが判明した。これらの調査結果を受け、GAOは教育省に対し、公式助成ファイルのモニタリング評価手順の詳細を文書化することと、状況共有を目的としてPAMモジュールを助成担当職員が使用する上での指針を策定することを提案した。教育省はこれら2件の提案事項にいずれも同意し、実行に向けた手順及び研修を策定している。

 

Government Accountability Office:Discretionary Grants:Education Needs to Improve Its Oversight of Grants Monitoring(報告書PDFあり)

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