語学学校を運営するELS教育サービス社(ELS Educational Services)名誉会長のマーク・ハリス氏(Mark W. Harris)は2017年2月21日、国際教育管理者協会(Association of International Education Administrators:AIEA)の年次総会において、米国大学23校で学ぶ留学生662人を対象として実施した調査結果を発表した。これによると、留学生は、大学教授への要望として、より多くのフィードバックの提供(35%)、留学生の観点を理解する努力(33%)、授業で使用した教材を授業後に利用可能とすること(32%)、課題の完成例の提供(32%)、授業内容において米国以外の事例の提供(28%)などを挙げていることが明らかにされた。但し、回答者の約12%の母国語は英語であったため、例えば、回答者全体の22%が「ゆっくり明確に話してほしい」と要望しているが、中国人留学生に限定するとその割合は32%となるなど、全般的な結果に影響を与えている。また、授業において困難な点には、レポート作成の宿題が多過ぎること(65%)、教科書を読む量が多過ぎること(63%)、英語での記述(56%)、クラスでの発表への参加(56%)、英語ネイティブ学生優遇と感じられること(56%)、クラス討論への参加(56%)、教授による留学生の文化に対する理解の欠如(50%)などが挙げられた。AIEAエグゼクティブディレクターでデューク大学(Duke University、ノースカロライナ州)非常勤研究員のダーラ・ディアドーフ氏(Darla K. Deardorff)は、留学生を教える教授に対し、以下のような提案事項を提示している。
- 教授と学生との関係を重視する。
- 学生が慣れていることを理解する。
- 期待する内容を明確にして例を提示する。
- 成績の良くない学生に留意する。
- 授業の中で留学生と米国人学生を意図的に組み合わせる。
- 特定の留学生を特別扱いしない。
- 学生と大学構内の様々なリソースとを繋ぐ。
- 学生の母国を例として使用する。
2017年2月24日
Inside Higher ED:Teaching and Integrating International Students