【ニュース・アメリカ】ACT試験を受験した2017年高校卒業者、不利な立場にある生徒とそうでない生徒との間での得点格差は解消されず

米国大学進学準備度を評価する標準試験のACT試験を運営する非営利組織のACTは2017年9月7日、ACT試験の得点に関する年次報告書「2017年大学進学・就職準備状況(The Condition of College&Career Readiness 2017)」を発表した。

 

これによると、ACT試験を受験した2017年の米国高校卒業者の46%は、家族の中での初めての大学進学者、低所得層家庭の生徒、もしくは人種・民族的マイノリティで、これら3つの条件いずれかに該当する生徒は、質の高い教育・就職計画へのアクセス機会が他の生徒よりも限定されている可能性が高いことが明らかにされた。
また、これら3つの全てに該当するACT試験受験生のうち、英語・数学・読解力・科学の4科目中3科目以上で「ACT大学準備度ベンチマーク(ACT College Readiness Benchmark)」とされる得点を獲得した生徒は9%のみで、3つの条件の1つだけに該当する生徒でも、大学進学・就職準備ができていると判断される生徒は26%に留まった。これに対し、3条件のいずれにも該当しない生徒では、全体の54%が大学進学準備ができていると判断された。さらには、これら3つの条件全てに該当する生徒の81%は、得点がベンチマークに到達した科目は1科目以下であることが明らかにされた。

その他の主な結果は以下の通り。

  • ACT試験を受験した2017年高校卒業者の39%は、4科目中3科目以上でベンチマークに到達し、2016年の38%を上回ったが、2015年の40%を下回る。
  • 4科目全てでベンチマークに到達しなかった生徒の割合は33%で、2016年の34%、2015年の31%から大きな変化なし。
  • 大学での専攻分野は、衛生科学及び技術分野専攻希望者が最多との傾向は継続され、教育専攻希望者は4%のみで2016年から変化なし。

ACT:Underserved Learners Lag Far Behind Peers in College&Career Readiness According to 2017 ACT Score Results

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
人材育成 入試・学生募集、学生の就職
統計、データ 統計・データ