【ニュース・アメリカ】2017年度の米国公立大学の正味授業料収入増加率、私立大学を下回る見込み

ムーディーズ投資家サービス(Moody’s Investors Service)は、大学授業料に関する年次調査を実施した結果、2017年度の米国私立大学の正味授業料収入増加率の中央値は2.5%であるのに対し、公立大学での増加率は私立大学よりも緩やかであることを明らかにした。これは、2017年度の私立大学の学生1人あたりの正味授業料増加率は前年度比2%以下であるものの、在学生数がやや増加したためで、ムーディーズは、正味授業料収入増加率は前年度比2~3%というのが私立大学にとっては新たな標準となると予測している。また、新入生に対する大幅な授業料割引率も、正味授業料収入増加率に影響すると分析されており、2016年秋学期には、中小規模の私立大学の約半分では新入生の授業料割引率が50%以上で、私立大学全体の3分の2は、割引率は2015年秋学期よりも大きくなると回答しているという。一方、公立大学では、正味授業料収入増加率の中央値は2%と予測されており、これは、州内在住者を対象とした学士課程の授業料増加が州政府によって制限されていることが主要な原因と考えられている。さらには、公立・私立大学共に、大規模な総合大学と中小規模の大学との間の格差も拡大しており、特に著名大学は、大学ブランドが確立されていることから授業料割引率が抑えられている。この他、中小規模の私立大学の約40%は、2017年度の正味授業料収入が前年度から減少すると予測されることが明らかにされた。

 

Moody’s: Moody’s: Tuition revenue growth for US private universities remains steady, but public colleges lagging

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
学生の経済的支援 学費
統計、データ 統計・データ