米国大学教授協会（American Association of University Professors：AAUP）は2017年4月11日、大学専門職の経済状況に関する年次報告書「変化の可視化：専門職者の経済状況に関する年次報告書、2016～17学年度（Visualizing Change：The Annual Report on the Economic Status of the Profession, 2016－17）」を発表した。本報告書は、AAUPの年次調査に参加した米国大学1,022校のデータを分析したもので、これによると、大学フルタイム教員の給与は前学年度比2.6％増であったが、インフレ調整後は僅か0.5％増であることが明らかにされた。また、2016～17学年度のフルタイム教員の平均年収は8万95ドルであったのに対し、パートタイム教員の1つの大学での給与は平均2万508ドルで、担当講座あたりでの給与は平均7,066ドルであることが明らかになった。その他の主要な結果は以下の通り。
- 教授の平均年収は10万2,402ドルで、前学年度から平均2,956ドル増。准教授の平均年収は7万9,654ドルで、同2,462ドル増。助教の平均年収は6万9,206ドルで、同2,224ドル増。
- 教授の平均年収は男性が10万4,493ドル、女性は9万8,524ドル。准教授の平均年収は男性が8万895ドル、女性は7万7,751ドル。助教の平均年収は男性が7万446ドル、女性は6万7,647ドル。
- 大学別で見た性別による給与格差に関しては、男性教授の平均給与を100％とした場合、大半の大学では女性教授の平均給与がこれを下回るが、バンダービルト大学（Vanderbilt University、テネシー州）のように女性教授の平均給与が99.6％とほぼ平等である大学や、メリーランド・ノートルダム大学（Notre Dame of Maryland University）のように女性教授の平均給与が111.9％と男性教授を上回る大学もある。
- 地域別では、ニューイングランド地区の教員の給与が最も高く、フルタイム教員の年収は平均9万3,730ドル。それ以外の地域では、大西洋岸中部地区8万5,593ドル、太平洋地区9万2,891ドル、山間地区7万4,640ドル、中西部地区6万9,547ドル、南東中部地区7万57ドルなど。
- 2016～17学年度の学長の平均年収は前年度比4.3％増の33万4,617ドル。最高学務責任者の平均年収は21万2,774ドルで、最高財務責任者は20万2,048ドル。
なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
American Association of University Professors：Visualizing Change：The Annual Report on the Economic Status of the Profession, 2016－17［PDF:951.56KB］
Inside Higher ED：The More Things Change
