【ニュース・アメリカ】2016年に高校を卒業したACT受験者、試験結果の到達度は前年をやや下回る

米国大学進学準備度を評価する標準試験のACT試験を運営するACT社は2016年8月24日、2016年の高校卒業者が受験したACT試験結果に関する報告書「2016年大学進学・就職準備度状況(The Condition of College & Career Readiness 2016)」を発表した。これによると、ACT試験の到達度は2015年卒業者よりも低くなっているが、これはACT試験受験者が卒業者全体に占める割合が顕著に増加したことが原因と分析されている。ACT試験受験者は、2016年高校卒業者約210万人の64%を占め、2015年の59%、2012年の52%を上回り、過去最高となっている。ACT試験を受験した2016年高校卒業者のうち、英語・数学・読解力・科学の4科目中少なくとも3科目においてACT大学進学準備ベンチマーク(ACT College Readiness Benchmark)に到達したのは全体の38%で、2015年の40%をやや下回った。逆に、4科目全てにおいてベンチマークに到達しなかった受験者の割合は34%で、2015年の31%から増加している。これは、州全体の試験プログラムとして、高校2年生(11年生)全員のACT試験受験料を負担する州が7州増加し、これら7州における試験の点数が予測通りに低かったことが全体の点数を引き下げる一因となったと分析されている。2016年の公立高校卒業者全員にACT試験受験機会を提供した州は、合計20州であった。それ以外の主要な結果は以下の通り。

  • 2012年以降、STEM分野専攻者の大学進学準備度を評価するために数学と科学を組み合わせた指標である「STEM」のベンチマークを達成した受験者は、科学の点数が顕著に高い一方で数学は他の受験者と大きな違いなし。
  • 2013年以降、ACT試験平均点は世帯当たりの年収8万ドル以上の家庭の生徒ではわずかに向上している一方で、それ以下の家庭の生徒では低下して格差が拡大。
  • 2015~2016学年度にACT試験受験料免除となった低所得層家庭の生徒は60万人超であったが、そのうちの約25%は試験会場に現れず、受験機会を喪失。
  • 高校4年まで待たずに高校3年以前にACT試験を受験したアフリカ系・ヒスパニック系生徒の割合は増加し、大学進学・奨学金受給機会が増加。
  • ACT試験を受験した2016年高校卒業者のうち、1回のみ受験した生徒が57%。
  • ACT試験受験者の中で専攻希望分野として最多であったのは健康科学・技術分野。

ACT:ACT Scores Down for 2016 U.S. Grad Class Due to Increased Percentage of Students Tested

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価