【ニュース・アメリカ】2014年の博士号取得者数は増加の一方で、就職先が確定済みの新規学位取得者の割合は減少

米国科学財団(National Science Foundation:NSF)傘下の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は2014年に米国大学において博士号を取得した研究者に関する報告書「2014年米国大学における博士号取得者(Doctorate Recipients from U.S. Universities 2014)」を発表した。これによると、2014年に米国大学から博士号を付与された研究者総数は5万4,070人で、過去58年間の博士号取得調査(Survey of Earned Doctorates:SED)において最多であることが明らかにされた。2014年博士号取得者の主要な傾向は以下の通り。

 

•科学・工学分野(Science and Engineering:S&E)における博士号取得者数の増加は、他分野の同学位取得者数の増加を40年連続で上回り、S&E博士号取得者が全体に占める割合は1974年の58%から2014年は75%に増加。
•2014年にS&E博士号を取得した学生ビザを保有する留学生数は1万3,739人で前年比2%増。また、2004年と比較すると45%増。一方、S&E博士号を取得した米国民及び永住権保有者数は前年比2%増で、2004年と比較すると42%増。
•2014年にS&E博士号を取得した学生ビザを保有する留学生全体の70%は10カ国の出身者で占められており、上位3カ国の中国・インド・韓国出身者が全体の半数以上。
•2014年の博士号取得者全体の46%は女性。また、S&E博士号を取得した女子学生数は1994年から2014年で倍増。
•博士号を取得したアフリカ系米国人が全体に占める割合は、1994年の4.1%から2014年は6.4%に増加。一方、ヒスパニック・ラテン系学生が占める割合は、同期間で3.3%から6.5%に増加。

 

しかし、博士号取得者数が増える一方で、新規博士号取得者を対象とした雇用状況は厳しく、就職先もしくはポスドク研究者としての所属先が確定済みの新規学位取得者の割合は、2004年は全体の70%であったのに対し、2014年は61.4%に低下しており、この傾向は専攻分野に関わらず全領域において共通していることが明らかにされた。

 

なお、本報告書は以下よりダウンロード可能。
DOCTORATE RECIPIENTS FROM U.S. UNIVERSITIES[PDF:1.98MB]

 

National Science Foundation:Report: U.S. institutions awarded most doctorates ever recorded in 2014

 

【参考記事】Inside Higher ED:The Shrinking Ph.D. Job Market

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
人材育成 研究者の雇用
統計、データ 統計・データ