【ニュース・アメリカ】2008年に経済学博士号を取得した女性、同期男性と比較すると大学教員としての就職・テニュア昇進において顕著に不利

イリノイ州立大学(Illinois State University)准教授で経済学者のジフイ・チェン氏(Jihui Chen)らは、米国経済学会(American Economic Association)において論文「女性教授は19世紀のテニュア制度で生き残れるか?2008年卒の経済学博士から見る証拠(Do Female Professors Survive the 19th-Century Tenure System? Evidence From the Economics Ph.D. Class of 2008)」を発表予定である。本研究は、大学博士課程プログラム57件修了者の早期キャリアのアウトカムを検証したものである。米国経済学会のデータによると、経済学博士号取得者の約3分の1は女性であるにもかかわらず、経済学助教全体で女性の占める割合はの31%で、教授では15%に留まるという。チェン氏らの研究では、同論文執筆者の中の2人が以前に執筆した論文のデータを利用して、2008年に経済学博士号を取得した女性587人の追跡調査を8年間に亘って実施した結果、同期の男性と比較すると大学での就職者数が8%少ないことが明らかにされた。また、これらの女性経済学博士号取得者の17%が2016年までにテニュア職に就いているのに対し、同期の男性は27%がテニュア職に就き、10ポイントの格差があることが明らかになった。また、米国市民権を保有しない教員に関しては、テニュア職に就く男性は女性を12ポイント上回ることが明らかにされた。さらに、このような状況から、追跡調査を行った8年間で大学から別のセクタに転職した女性は男性を上回ることが明らかになった。

 

Inside Higher ED:Tenure, Women and Economics

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
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