【ニュース・アメリカ】高等教育に関する米国成人の意識、十分な情報が与えられることにより支持政党別の格差が縮小するという調査結果が公表される

教育政策に関する意見や研究を掲載するエデュケーション・ネクスト(Education Next:EdNext)は2017年8月15日、学校改革に関する米国民の意識調査結果「2017年版EdNext学校改革調査(The 2017 EdNext Poll on School Reform)」を発表した。

 

本調査結果は、18歳以上の成人4,214人から得られた、高等教育、チャータースクール、移民政策などに関する一連の質問への回答を分析したものである。高等教育に関しては、4つのグループに異なる内容が質問され、子どもに4年制大学で学士号を取得させたいか、コミュニティカレッジで準学士号を取得させたいか、それとも、いずれも取得させたくないか、の回答を得た。その結果、全体の約3分の2が子どもを4年制大学に進学させることを希望していることが明らかにされた。但し、この結果は収入・学歴・支持政党などによって大差が見られたが、特に支持政党別では、学費や生涯収入などに関する情報が十分に与えられると、その差が縮小することが判明した。具体的な結果は以下の通り。

  • 1つ目のグループには、質問以外には情報を与えず、その結果、全体の67%は子どもに学士号を取得させたいと回答し、22%は準学士号取得を希望。支持政党別でみると、学士号取得を希望する共和党支持者は全体の57%であったのに対し、民主党支持者では75%。一方、準学士号取得を希望する共和党支持者は31%で、民主党支持者は16%。
  • 2つ目のグループには、学士号保有者の職業人生平均年収は6万1,400ドルであるのに対し、準学士号保有者では平均4万6,000ドルという情報を追加で与え、その結果、全体の75%が子どもに学士号を取得させたいと回答。支持政党別では、共和党支持者の70%と、民主党支持者の79%が学士号取得を希望。
  • 3つ目のグループには、公立4年制大学の州内居住者の学費が年間平均1万4,210ドル、コミュニティカレッジが年間平均7,620ドルという情報を追加で与え、その結果、全体の60%が学士号、26%が準学士号を子どもに取得させたいと回答。支持政党別では、共和党支持者では60%が学士号、27%が準学士号を取得させたいと回答したのに対し、民主党支持者では63%が学士号、26%が準学士号を取得させたいと回答。
  • 4つ目のグループには、職業人生平均年収と学費に関する両方の情報が与えられ、その結果、全体の66%が子どもに学士号取得を希望し、22%が準学士号取得を希望。支持政党別では、共和党支持者・民主党支持者共に、66%が学士号取得を希望し、共和党支持者の24%と民主党支持者の19%が準学士号取得を希望。

なお、本調査結果は、以下より閲覧可能。
EducationNext:The 2017 EdNext Poll on School Reform

 

2017年8月15日

 

Inside Higher ED:Narrowing the Partisan Divide

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
統計、データ 統計・データ