【ニュース・アメリカ】米国芸術科学アカデミーと戦略的米国芸術専攻卒業生プロジェクト、人文科学・芸術専攻卒業生の就職等に関する報告書を発表

米国芸術科学アカデミー(American Academy of Arts&Sciences:AAAS)とインディアナ大学(Indiana University)の戦略的米国芸術専攻卒業生プロジェクト(Strategic National Arts Alumni Project:SNAAP)は、それぞれ人文科学及び芸術専攻学生の卒業後の就職・年収に関する報告書を発表した。AAASによる報告書「学士号が最終学位の人文科学専攻者の年収(Earnings of Humanities Majors with a Terminal Bachelor’s Degree)」(URL1)によると、2012年の人文科学学士号保有者の年収中央値は5万1,000ドルで、学士号保有者全体の中央値5万6,000ドルを下回るが、最終学歴が学士号取得以下の労働者の年収中央値3万5,000ドルを大きく上回ることが明らかにされた。また、同学士号保有者の年収を性別で比較すると、男性が5万8,000ドル、女性が4万5,000ドルと格差があり、この男女間の格差は言語学や比較言語・文学などの分野では15%であるのに対し、米国歴史学では39%で、専攻分野によって異なることも判明した。一方、SNAAPによる報告書「形にする ~最近の芸術専攻卒業生の教育と就職~(Making It Work:The Education and Employment of Recent Arts Graduates)」(URL2)は、2011年~2013年に卒業した芸術専攻学生8万8,000人超から得られた調査への回答に基づき作成されたものであるが、回答者の約半数は、より給与の高い仕事や安定した仕事が見つかったためにプロの芸術家として働いていないと回答している。しかし、回答者の64%は大学で学んだことに「非常に関連する」もしくは「関連する」分野に従事しており、これは他の専攻分野の卒業生とほぼ同じ割合であるという。その一方で、大学で学んだネットワーキングや財務管理などの技能を様々な職業分野で活用しているとした回答者もいるものの、大半の学生は不十分と感じていることや、大学で起業に関する技能を習得したと回答したのは全体の30%、経営技能に関しては25%であることから、芸術的才能の活用手段についても大学での教育内容に含めることが今後の課題となるとしている。

URL1: http://www.humanitiesindicators.org/content/indicatorDoc.aspx?i=64
URL2: http://snaap.indiana.edu/pdf/2014/SNAAP_AR_2014.pdf
URL3: https://www.insidehighered.com/news/2014/10/17/positive-reports-humanities-earnings-art-school-job-prospects

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
人材育成 学生の就職
統計、データ 統計・データ